小学生や中学生のお子さんをお持ちの保護者にとって、学期末の通知表は非常に気になるものなのではないでしょうか。通知表に記載される成績は一定のルールによってつけられるものです。このルールが、2020年度から順次実施されている学習指導要領の変更に伴い変わります。そこでこの記事では、新旧の成績のつけ方の概要について解説します。また、成績を上げるためのポイントについても取り上げているため、参考にしてみてください。
通知表にも影響?成績のつけ方が変わる
学習指導要領とは、小学校や中学校、高校の教育水準を一定以上に保つための基準です。社会情勢等を考慮して定期的に改訂が行われており、直近では2020年度より順次新学習指導要領へと移行しています。
この学習指導要領が変わるということは、その内容に沿って成績のつけ方も変わるということです。そのため、小学生や中学生、高校生にとっては、ただ授業内容が変わるだけでなく、自身の成績もこれまでと変わる可能性があると考えておきましょう。成績のつけ方に応じて勉強をするわけではありませんが、どのようにつけられるのか理解しておくことは、勉強するうえで非常に重要だと言えます。
4観点から3観点による評価へと変化
小学校や中学校などにおける成績は「観点別評価」という方法によってつけられています。これは、特定の観点に沿ってそれぞれ3段階の成績をつけ、各観点の成績の組み合わせで最終的な成績が決まるというものです。
この評価方法では、これまで4つの観点から評価がされていましたが、新学習指導要領では観点が3つに変わります。
そこでここでは、4観点による評価と3観点による評価の概要について解説します。どのように成績のつけ方が変わったのか、理解する際の参考にしてみてください。
これまでの成績のつけ方
これまでは、以下の4つの観点から成績がつけられていました。
・意欲・関心・態度
・思考・判断・表現
・技能
・知識・理解
「意欲・関心・態度」とは、学習内容に対する興味や関心を持っているか、積極的に課題に取り組んでいるかといった側面を評価するものです。また、「思考・判断・表現」は課題解決のための思考力を持っているか、そして自分の考えを表現できるかといった観点となります。そして、「技能」は課題解決のための技術を身につけているかどうか、「知識・理解」は、国語や数学といった各単元において必要な知識を理解しているかどうかという観点です。
これらの観点から各単元で評価され、成績が決められます。
新しい成績のつけ方
新学習指導要領では、従来の4観点から以下の3観点へと変化しています。
・知識・技能
・思考・判断・表現
・主体的に学習に取り組む態度
「知識・技能」とは、各生徒の知識や技能の習得状況を評価するものです。学習した知識や技術を、すでに知っている知識や技能と関連づける・活用する中で、習得状況が評価されます。また、「思考・判断・表現」とは、各教科で学んだ知識や技術を活用して課題を解決するために必要となる思考力や判断力、表現力を備えているかを評価します。そして、「主体的に学習に取り組む態度」とは、知識や技術、思考力・判断力・表現力を身につけるために粘り強い取り組みを行い、試行錯誤しているか、学ぼうとしているかといった意思的な側面を評価するものです。
共通している部分もありますが、「主体的に学習に取り組む態度」が加わっていることが大きな変化だといえるでしょう。
成績アップのポイントは?
新しい成績のつけ方のもとで、成績アップを目指す場合、以下のような点を押さえておくことが重要です。
・自身の学習状況を正確に理解すること
・自分に不足しているところを克服する、得意なところを伸ばすための試行錯誤をする
・継続して粘り強く試行錯誤し続ける
新しい3観点による評価を受ける場合、自身の学習状況の把握→試行錯誤→試行錯誤の継続というサイクルの中で勉強に取り組むことが重要だと言えます。また、ただ黙々と取り組むのではなく、先生に努力していることをアピールする必要もあるでしょう。例えば、授業中の発言やノート・レポートでの記述を利用すれば、学習状況を適切に把握していることを先生に伝えられます。もちろん、テストでの成績も重要です。
成績のつけ方は変わりますが、子どもたちが取り組むべきことはこれまでと大きく変わっているわけではないと言えます。
まとめ
今回は、新学習指導要領の改訂に伴い変わった成績のつけ方について解説しました。今回の改訂により、従来の4観点からの評価から3観点による評価へと変化しています。成績アップを目指すうえでは、自身の学習状況を把握し、向上させるために試行錯誤することが重要です。今回の内容を参考に、新学習指導要領下での成績アップを目指してみてください。