中学生のお子さんを持つ保護者の中には、「勉強しろ」と言った経験のある人も多いのではないでしょうか。一方で、そのような言葉をかけてはいけない、とわかっていてもついつい言ってしまうことに悩んでいる人もいるでしょう。この記事では、「勉強しろ」と言うことの効果と、なぜ言ってはいけないのかについて解説します。また、お子さんの勉強を促す方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント
- 「勉強しろ」とついつい言ってしまう
- 出来ていないところに目が行きがちになっている
- 「勉強しろ、宿題しろ」と言ってもやってもらえない
なぜ勉強しろと言ってはいけないのか
保護者の方の中には、「勉強しろ」と言わない方がいいとわかっていても、勉強しない子供を見てついつい口にしてしまうと言う悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。ここではなぜ「勉強しろ」と言ってはいけないのか、その理由について解説します。理由を理解すれば、ついつい口に出してしまうケースも減るはずです。ぜひ覚えておいてください。
「勉強しろ」には効果があまりない
ベネッセ教育研究開発センターが行った「第4回子育て生活基本調査(2011年)」によると、子供に対して「勉強しなさい」と言う保護者は意外と多くいるそうです。
一方で、こちらの調査では「勉強しなさい」と言われたからと言って、子供が勉強に取り組む時間が必ずしも伸びるわけではないことがわかっています。中学生の場合、「勉強しなさい」と声をかけられた子供の方が、かけられていない子供よりも勉強時間が短くなっていることが調査では明らかにされています。つまり、保護者から子供に対して勉強しろ、と声をかけることは必ずしも効果的ではないのです。
言ったとしてもそもそもやらない
「勉強しろ」と言ってしまう保護者の方は、自分自身が中学生だった頃のことを思い出してみてください。自分の親から「勉強しろ」と言われて実際に勉強をしましたか?多くの人は、親にそう言われてかえってやる気をなくしてしまったはずです。勉強をしろと言われて勉強する子供は、そもそも最初から勉強をするでしょう。つまり、親が子供に勉強をするように言ったとしても効果は見込めないのです。
オススメの対応の一例
- 「~しろ」という命令口調ではなく「~はどう?」と様子を気にする
- 保護者も読書や資格取得など子どもの近くで学ぶ習慣を作る
- 普段から出来ていないところではなく「何が出来るようになっているのか」という視点をもつ
わからない人に言われることは腹が立つ
中学生の勉強と言っても、中には難しいものもあり、保護者の方によっては教えることができないケースもあるでしょう。自分ではわかっていないのに「勉強しろ」と言われたら、子供はどう思うでしょうか。きっと「わからないくせに勝手なこと言うな」と腹をたてるはずです。親の言うことが、勉強に対する意欲を削いでしまう恐れがあるため、やはり「勉強しろ」とは言わない方がいいと言えるでしょう。
中学生の子供への声のかけ方に悩んだらどうすればいい?
では、中学生の子供に勉強をしてもらおうと思ったらどうすればいいのでしょうか。ここでは、勉強に気を向けるためのポイントについて解説します。特別なものや知識などはなくてもできることなので、ぜひ試してみてください。
将来の話をする
勉強はそもそも何のためにするのでしょうか?おそらく多くの場合、将来の夢ややりたいことをするための手段として勉強に取り組んでいるはずです。そのため「勉強をしろ」と直接的に言うのではなく、将来の話をすることで間接的に勉強をするように促す方が、より子供の心に響くでしょう。
例
子供:将来は○○になりたい
親:それになるにはどんな勉強が必要なの?
子供:えーっと、英語と数学、理科も必要だね
親;じゃあ夢を叶えるためにも勉強頑張らないとね
と言ったイメージです。
他にも
子ども:テストの点数が悪かった
親:そうなんだね、今回は何点を目標にしていたの?
子ども:特に考えていなかった
親:そっか。まずは目標を立てることが大切かもしれないね。目標の点数を取るためにはどの単元を取れるようにしなきゃいけないかを考えていけるからね。
子ども:じゃあ次回は○○点取る!
親:良いね!目標を立てて勉強した経験は将来も必ず役に立つから頑張ろう!
ちなみにある調査では、将来について話す子供の方が、勉強時間が長いと言う結果が出ているそうです。これまで将来についてあまり話してこなかったと言う保護者の方は、ぜひ意識して話してみるようにしましょう。
勉強での成功を経験させる
子供がもっと勉強を頑張ろうと思えることの1つが、勉強での成功体験をした場合です。例えば、テストで良い点を取って嬉しくなり、もっと勉強を頑張るようになる、といったイメージです。保護者が直接的に子供の成功体験を作ることに関与できるわけではありませんが、例えばテストで良い点を取ったことを褒めるだけでも、子供にとっては1つの成功体験になるはずです。
「うちの子供はテストの点数がいつも低いから褒められない…」と思う保護者の方もいるかもしれません。しかし、テストの点が低いのは他の子供と比べた場合であって、自分の子供の点数自体は前回のテストよりもアップしているかもしれません。ぜひ、自分のお子さんの成長をしっかりと褒め、勉強での成功を体験できるようにしてあげましょう。
まとめ
今回は「勉強しろ」と言うことの効果のなさやなぜ言ってはいけないのか、子供に勉強を促すためにはどうすれば良いのか、と言った点について解説しました。保護者の方の中には、言ってはいけないとわかりつつも、ついつい「勉強しろ」と言ってしまう人も少なくないはずです。しかし、そのように言うこと自体にはあまり効果はありません。子供への言葉の掛け方に悩みを持っている人は、ぜひ、今回紹介したように、違った方向から子供にアプローチして勉強を促してみてください。