「特定のにおいを嗅ぎながらの勉強」は……アリ!
「特定のにおいを嗅ぎながらの勉強」もおすすめです。記憶力を高められますよ。
ふと懐かしいにおいを嗅いだことによって過去の思い出が蘇ってきた経験はないでしょうか。これは「プルースト効果」と呼ばれます。フランス人作家マルセル・プルースト氏の『失われた時を求めて』という作品のなかの、主人公が紅茶にマドレーヌを浸したときの香りで幼少期を思い出すという描写から名づけられました。
においが記憶に強く影響する理由は、脳の仕組みにあります。嗅覚は五感の中で唯一、本能や情動をつかさどる大脳辺縁系という部分に直接つながっているそう。そのため、ほかの感覚機能よりも情動と関連づけしやすく、記憶に強く残りやすいというわけです。
放送作家・演出家の横山龍太氏は、番組中に行なったある実験により、このプルースト効果が勉強にも活用できることを証明しました。ある子どもには香りつき消しゴムを嗅ぎながら漢字を学習させ、その後の記憶力テストも嗅ぎながら受けさせます。そしてもう一方の子どもには、においを嗅がせずに学習と記憶テストを実施しました。その結果、においを嗅ぎながらテストをした子どもは、嗅がなかった子どもより正解率が約10%高かったのです。においの効果が大きく表れていますね。
実験のようににおいつきの消しゴムを使うほか、アロマを焚いたり香水をつけたりするのもよいでしょう。たとえば、手首に香水を少量つけて勉強し、試験前に同じ香水を嗅ぐなどすると記憶を効率よく思い出せるかもしれません。アロマセラピストの芦川佳子氏は、集中力を高めたい勉強時にはローズマリーやペパーミント、ユーカリやレモンの香りがおすすめだと言います。においで記憶を呼び戻すというプルースト効果を、勉強に活用してみてください。