こんにちは 個別指導学院ヒーローズ参野校でございます。
入試シーズンに入り、中学・高校・大学入試と対応しておりますが、新型コロナでの落ち着かない状況は周辺こそ気を配ることと考え、
教室の換気や生徒間距離の維持、消毒などを行っております。
大変ありがたいことに、本校の生徒在籍数が増えてきたことと受験シーズンと重なり、
学調対策もあった新年のスタートは、生徒間距離の確保ギリギリのてんてこ舞いでした。
嬉しい反面、お子様をお預かりする立場として。安心できる学習塾として。気を付けないといけないと反省点でもあります。
さて、今回は社会・英語と続き、中学数学を2回に分けて書かせていただきたいと思います。
単元の意味合いや問題解決能力、処理能力などはさておいて、
本校での学習方針である自立学習の確立のために、行っている取り組みを織り交ぜながら、どう学習させていくか、
その中で、学習者(生徒)がどのようなプロセスを経て問題を解いていくか。第一回として、問題を解いていく流れを解体したいと思います。
数学の問題を解いていく流れ
数学の問題を解いていく中で、どのようなものが必要か。その段階に分けていきます。
①問題を読み、問われているものを理解する ・・・目標を定める
どの問題でも、必ずあるのが「問題で与えられているもの」と「問題で問われているもの」です。
問題で問われているものこそ、『答え』です。これが求まるか、求まらないかで〇✕がついてきます。
式の変形、数値、文章の記載など、答え方は様々ですが、まずは「何を答えればいいのか」を理解する必要があります。
特に迷子になりやすいのが、方程式などの文章問題でしょう。
答案が白紙であったり、まったく手の付けれない生徒さんは、まずここからスタートです。
本件を軽視していると、スタート地点から大きい勘違いのまま進んでしまう危険性があります。
ここでのポイントは「問題で問われているもの・要は答えればいいもの」に下線を引いてみましょう。
面積の数字を答えればいいのか 人数や価格を答えればいいのか
それだけで、目標が定まってきます。
②問題で与えられているものを理解する・・・状況理解・情報整理
①で、問題で答えればいいもの・目標を理解しました。
その次に大切なのが、問題における状況理解です。
何が与えられているのか。どのような状況か。
国語が得意で読解力のある生徒さんなら、その状況把握は容易でしょう。
しかし、多くの生徒さんは読んだだけで理解し、式を作れるのは少数であると思います。
特に、仕上げの問題レベルや入試・模試の問題となればなおさらです。
本校の生徒でも、やはりここが課題であることがほとんどです。
むしろ、ここがクリアできたら、答えに一直線なので・・・・
ここでのポイントは、「図に書き込む」「表や図を作成する」ことです。
よく言われる文章問題においては、教科書・問題集では必ずと言っていいほど「表にまとめて」います。
これは、問題文の内容などをわかりやすく、整理することが目的です。
手間のように感じてしまうのが小学生・中学生です。しかし、いくら問題文を読んでも、正確な立式ができるとは限りません。
よく聞かれるのが、「表が書けない」といいますが、我々も問題にあわせ即興で作っているのがオチです(笑)。
私個人としては、ここが大の苦手で、かなり苦労した記憶しかありません。
簡単な問題、すぐに式ができるような初級の問題であっても、「どうせ難しい問題でもやるんだから、簡単な問題でも練習に」といつでも表を書くようにしました。
つまり、「いつでもどんな問題でも、いつもと同じように」というルールを自分に課すことで、常にトレーニングをしていたのだと思います。
獅子搏兎 という四字熟語が思い浮かびます・・・
(簡単なことでも全力で取り組むこと。 ライオンは兎のような弱い動物を捕まえる時も、全力で捕まえるということから。)
③定義・定理の理解と自己反省の大切さ
数学の核として、定義と定理というものがあります。
新しい単元や内容を学習するとき、必ず「決まり事」として成り立ちと考え方からスタートします。
その「決まり事」が数学における『定義と定理』です。
問題の中で、求められるものに対し、適切な場所で「決まり事」を使っていく流れが『解法』です。
その際に、なぜその「決まり事」と使うのか?どうしてこの「決まり事」を使うのか?という足元の確認の有無が正答に向かえるか左右します。
以下、使っていくキーワードをまとめますと
『定義・定理』・・・数学における「決まり事」・「公式」
『正答』・・・問題において、求めているもの
『解法』・・・『定義・定理』を使い、『正答』に導く過程の流れ
特に、数学を苦手とする生徒さんは、定義と定理の理解が甘いという点が指摘されます。
例えば、速さを例にしてみましょう。
速さの定義は様々ありますが、中学までは「単位時間あたりの移動距離」と言い換えられます。
単位時間とは、1秒や1時間など
つまり「速さ=1時間(1秒)あたりに進む距離」です。(問題によって、時間単位は変えましょう!)
最も身近に感じれるのは「速さ×時間=進んだ距離」でしょう。
例文「1時間に50㎞進むなら、2時間では?10時間では?」
上記の式を丸暗記しなくても、すぐに積で求まることが予想できます。
逆に、「進んだ距離÷時間=速さ」という関係も成り立ちます。
例文「100㎞を2時間で進んだなら、1時間あたりどれだけ進むでしょう?」
四則演算(+-×÷)を使う理由を、ただの作業ではなく、
こうした単純化(身近なもの・わかりやすいもの 具体的な問題)から一般化(速さと時間をかけたら距離が求まるという関係性 定義や定理)することで、状況をみながら利用することができるようになります。
また、できなかった問題、間違った問題はこうした理解がまだまだ不足している・・・・
けれども!『これを覚えておけば、この問題は解けるんだ』という「技」を自ら作り、のちの自分の為に書き残し、何度もチャレンジすることが大切です。
今日はできなかった・・・・次の時はワンステップ先、その次はもう少し先・・・そして、一人でもできた!っと成長を感じるチャンスになります。
そんなときの生徒さんの顔程、晴れ晴れしいものはありません。
我々のアドバイスも、その技は伝えれますが、必殺技はなかなか教えることはできません。
アドバイスの後はもう一回やってみて!と声掛けをします。やってくれる生徒ほど、繰り返す粘り強さが見えてきます。
④There is no royal road to learning.(学問に王道なし)
こうしたプロセスを単に「公式だけ覚えとけばいい」という暗記物にすることは、最初の基本問題は解けても、総合問題の中や、時間が経ってからは忘れてしまったり、非常に使いづらいものとなります。
それが、苦手意識であったり、避けたがる傾向への大きな原因となってしまいます。
回り道のようにみえて、実は近道になることが多くあります。
現状、数学を苦手にする生徒さんは、時間をかけなさすぎと感じます。
他の教科もですが、苦手なところほど、じっくり時間をかけなくてはなりません。
神業のような公式はどの教科にもありません。
常に、問題を解くために、解いた後に。振り返りをして、何をどのようにしたか。検証することが最も大切であると考えております。
タイトルの「There is no royal road to learning.(学問に王道なし)」とは、古代エジプトの数学者 エウクレイデス(英語読みでユークリッド)の有名な言葉です。
(元々は「幾何学を学ぶのに原論(ユークリッドの書)よりも近道はないか?」というという問いに、「幾何学に王道なし」と答えたことから)
思考錯誤し、いろいろ考える。間違いを「ミス」としてでなく「成長する糧」とする。そんな思いを持って、日々の勉強に勤しんでもらいたい。
そんな環境を、我々は作り残していきたいと考えております。
次回は、数学の学習こそ自立学習が大切であることをお話ししたいと思います。
以前に中学2年での一次関数のお話をさせていただいた記事も合わせて
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