こんにちは、個別指導学院ヒーローズ富塚校、教室長の鈴木です。
「テストが返ってくると『悔しい』とは言うんです。でも、それで終わっちゃって」
面談でこの言葉を聞くたび、僕はちょっと立ち止まりたくなります。悔しいと言えるのは、決して悪いことじゃないんです。むしろ、本気でやっていた証拠だと思っています。ただ、その悔しさが次の行動につながらないまま消えていくのは、ちょっともったいない。そこで僕がいつも思うのは、「悔しい」の中身を、もう少しちゃんと聞いてみたいな、ということです。

「次は頑張ろう」で終わらせると、何も変わらない理由
「悔しい」というのは、実はかなり圧縮された言葉です。本気でやったのに届かなかったのか、もう少しできると思っていたのか、それとも誰かにちゃんと見てほしかったのか。ひとことの「悔しい」の中に、たぶんいろんな気持ちが混ざっています。
ここで大人がやりがちなのが、「次は頑張ろう」で終わらせてしまうこと、もしくは逆に「じゃあ何が悪かったの?」と、すぐに反省点を聞いてしまうことです。前者は気持ちにしか触れていないので行動につながりませんし、後者は本人からするとダメ出しにしか聞こえないことがあります。県学調やテストの結果を見て、悔しいと言ったきり黙ってしまう子を、僕はこれまで何度も見てきました。悔しさを感じる力はあるのに、それをどう扱えばいいか、本人もまだよくわかっていないんです。
これは、根性や気合いの問題ではありません。感情を、次の一手に変換する練習が、まだ足りていないだけなんだと思っています。日々の勉強でいうと、テストのあとに「なんとなく悔しい」で終わるか、「ここが本気で悔しかった」「次はここを変えたい」まで自分の言葉で分解できるか。この差は、実はかなり大きいものです。
「悔しい」を、次の一手に変える聞き方
僕が面談で意識しているのは、いきなり反省点を聞かないことです。まずは「どのへんが一番悔しかった?」と聞いてみます。ここでようやく、本人の中で何にこだわっていたのかが少しずつ見えてきます。がんばって覚えたつもりだったのに、テストになると思い出せなかったことが悔しいのか、それとも基本のところをまた間違えてしまったことが悔しいのか。同じ「悔しい」でも、中身はまったく違います。
ここで、ちょっと意外な発見もあります。掘り下げていくと、実はそこまで悔しくなかった、ということが結構あるんです。「悔しい」って、うまくいかなかったときにとりあえず使える、便利な言葉なんですよね。本当はがっかりしただけだったり、面倒だっただけだったり、ちょっと気まずかっただけだったり。それでも、うまくいかなかったことは全部「悔しい」のひとことで片づけてしまう。だから僕は、「悔しい」という言葉をそのまま受け取らず、まずは中身を確かめるようにしています。本当に悔しかったのか、それとも別の何かだったのか。それがわかるだけで、次にかける言葉はだいぶ変わってきます。
そのうえで、「次に同じ場面が来たら、何を変えたい?」と聞きます。すると、さっきまで感情で固まっていた子が、「あ、次はこうしてみる」と、急に自分から動き出すことがあります。この瞬間が、僕はけっこう好きです。大人が正解を教えたわけではなく、本人の中にあった悔しさが、ちゃんと次の作戦に変わった瞬間だからです。
教室では、こうしたやりとりをテスト直後の一回で終わらせず、日々の振り返りの中でも繰り返しています。自分のミスを一度立ち止まって見直し、次にどう動くかを自分で選び直す。これは、その場しのぎの反省ではなく、一生使える力だと思っています。うまくいかなかったときに崩れて終わるのではなく、そこから自分で次の一歩を選べるようになること。それは、テストの点数以上に、この先ずっとその子を支えていく力になります。
最初のうちは、「悔しかった」の一言しか出てこない子がほとんどです。それでも、「どこが一番悔しかった?」「次はどこを変えたい?」というやりとりを何度か重ねていくと、だんだん自分から「あの単元、次はここから解き直す」「今度は分からないところを後回しにしないで、先に聞く」というふうに、具体的な言葉で話せるようになっていきます。感情がなくなるわけではありません。悔しいという気持ちを抱えたまま、それでも次の一手を自分の言葉で選べるようになる。その変化を見られるのが、この仕事をしていて一番うれしい瞬間のひとつです。
浜松、特に富塚中の校区は、もともと教育熱心なご家庭が多い地域です。だからこそ、「悔しい」という言葉が出てくる場面自体は、決して珍しいことではないと思います。大事なのは、その悔しさを叱る材料にするのでも、感情のまま流すのでもなく、本人が次に選べる形にほどいてあげることです。
一人で抱え込まなくて大丈夫です
「悔しいとは言うのに、そこから動かない」——そんな状態が続くと、お母さん自身も、これ以上どう声をかければいいのか、わからなくなってしまいますよね。でもそれは、お母さんの関わり方が間違っているからではなく、単純に「悔しい」を分解して次につなげる練習が、まだその子の中でできていないだけ、ということが本当に多いんです。
もしよろしければ、一度僕とお子さんの「悔しさの中身」を、一緒に見させてもらえませんか。無料の学習相談では、いきなり成績の話を詰めることはせず、まずお子さんが何にこだわり、何を悔しいと感じているのかを、一緒に言葉にするところから始めています。
「悔しがるだけで終わる子」ではなく、「悔しさを、まだ次の一手に翻訳できていない子」。そう見方をひとつ変えるだけで、ご家庭での声のかけ方も、テスト返却のたびの空気も、驚くほど変わっていきます。焦らず、まずは今のその子の悔しさを、一緒に整理するところから始めてみませんか。









