
こんにちは、個別指導学院ヒーローズ富塚校、教室長の鈴木です。
「将来、何になりたいの?」と聞いたら、「別にない」「夢とかない」と返ってきた。そろそろ進路のことも考えなきゃいけないのに、どこから話せばいいんだろう。責めたいわけじゃないのに、聞けば聞くほど会話が止まってしまう。そんなもどかしさを感じている保護者の方は、少なくないと思います。今日は、僕が面談で「夢がない」という言葉に出会ったとき、どんなふうに話を聞いているのかを書いてみます。
子どもが「将来の夢はない」と言うのは、心配したほうがいい?
僕は最初の面談で、ほとんどの生徒に「将来の夢とか目標ってある?」と聞いています。すると生徒たちは、決まって仕事や職業の話をします。そして、やりたい仕事が思い浮かばないと、「夢はない」という答えになる。
でも、僕はこれを「この子には何もない」という意味だとは思っていません。「夢がない」は、「なりたい職業の名前が出てこない」という意味なんだと感じています。
そもそも僕は、職業や仕事は「手段」だと考えています。目的は、もっと別のところにある。たとえば「保育士になりたい」という子も、保育士という職業そのものより、「子どもの世話をしたい」「子どもの将来に関わりたい」という思いがその奥にあったりしますよね。今その子が知っている職業の中で、その思いに一番近いのが保育士だった、というだけなんです。
だから僕は、将来の夢や目標を職業で考えるより、「どんな生活を送りたいか」「どうなっていたら幸せか」のほうがずっと大事だと思っています。
だから、「夢がない」と聞いた瞬間に、やる気がないとか、何も考えていないとか、そこまで心配しなくていいと僕は思っています。
「夢がない」と答える子に、僕は面談で何を聞いている?
職業の話で止まってしまったとき、僕はそこからもう少し聞いてみます。
- 「どんな生活送りたい?」
- 「どうなってたら幸せ?」
すると、それまで「ない」と言っていた子からも、「楽に暮らしたい」「不自由なく暮らしたい」といった言葉が出てきます。やりたい職業は分からなくても、こうなったらいいなという希望は、ちゃんとあるんですよね。
旅行にたとえると分かりやすいかもしれません。行き先は、どんな旅にしたいかで決まりますよね。のんびりしたいなら温泉、おいしいものを食べたいなら港町。旅の希望が分からないまま「どこに行くの?」と聞かれたら、答えに詰まってしまうのは当然です。
「楽に暮らしたい」は、やる気がないということ?
「楽に暮らしたい」と聞くと、大人としては少し引っかかるかもしれません。「楽をしたいなんて」と、つい言いたくなる気持ちも分かります。
でも、僕はその言葉を、まずはそのまま受け取りたいと思っています。人はそれぞれ、自分にとって大切なものを満たそうとして、毎日の行動を選んでいる。僕はいつもそう考えています。安心して暮らしたい子もいれば、自由な時間を大事にしたい子もいる。「楽に」「不自由なく」という言葉の中には、その子が大事にしたいものが、ちゃんと入っていると思うんです。
ここで「そんな甘い考えじゃだめ」と返してしまうと、子どもはきっと、次から本音を話さなくなります。せっかく出てきた希望を、評価する前に、まずは聞く。僕が面談でいちばん大事にしているのは、そこです。
家では、将来の話をどう切り出せばいい?
家での会話は、面談とはまた違います。親子だからこそ、話しにくいこともありますよね。それでも、僕が面談で大事にしていることを家での言葉に置き換えるなら、こんなところだと思います。
- 「何になりたいの?」より、「どんな毎日だったらいいと思う?」と聞いてみる
- 出てきた答えを、すぐに「じゃあ勉強しなきゃね」につなげない
- その場で結論を出そうとせず、また別の日に話してもいいことにする
特に二つ目は、僕自身も気をつけていることです。本人の希望を、勉強させるための材料にしてしまうと、子どもはそれを敏感に感じ取ります。希望は希望として、まずは一緒に眺めてみる。それだけで、会話の空気は少し変わるはずです。
職業が決まっていないと、進路は考えられない?
浜松市内でも、中学生になると高校選びの話が少しずつ具体的になっていきます。富塚中の校区でも、親子で進路のことを話し合う場面は、これから何度もやってくると思います。
そのとき、なりたい職業が決まっていないと進路が選べない、ということはありません。職業も進路も、本人が望む暮らしや幸せに近づくための手段。だから僕は、「どんな暮らしをしたいか」「何があったら幸せか」こそが、進路を考える土台だと思っています。そこから、どんな毎日を過ごせる学校がいいのか、何を学んでみたいのかを、少しずつ一緒に探していけばいい。
僕が大事にしている「未来を自分でデザインする力」も、最初から立派なゴールを持つことではありません。自分が何を望んでいるのかに気づいて、言葉にして、そこから選んでいく。その最初の一歩は、「夢はない」の、もう一歩先を聞くところから始まるのだと思っています。
もし、お子さんと将来の話をしようとしても会話が続かない、本人が何を考えているのか分からない、と感じていたら、一人で抱え込まないでくださいね。無料の学習相談では、勉強のことだけでなく、本人がどんな暮らしを望んでいるのかも含めて、一緒にお話を聞かせてもらっています。答えを急がず、これからのことを親子と一緒に考える時間にしたいと思っています。









