「勉強しなさい」は本当に効果的? 親の声かけと子どもの学習習慣
保護者の方からよくいただくご相談の一つに、「うちの子がなかなか勉強しようとしないんです」というお悩みがあります。特に、「勉強しなさい」と声をかけても動かない、というケースは少なくありません。
実は、成績上位の生徒ほど、保護者から「勉強しなさい」と言われることが少ない傾向にあるとも言われています。もちろん一概には言えませんが、「勉強しなさい」という言葉が、必ずしも子どもの学習意欲を高めているわけではないという点は、多くのご家庭で見直すべきポイントかもしれません。
なぜ「勉強しなさい」は響かないのか?
特に小学生の場合、「なぜ勉強しないといけないのか」がまだ十分に実感として持てていないケースが多くあります。定期テストや受験といった明確なゴールがないため、保護者の期待と子どもの現実にズレが生まれてしまうのです。
そのような時に「勉強しなさい」と繰り返すことで、子どもは「やらされている感覚」や「否定された気持ち」を抱きやすくなり、勉強そのものへの拒否感につながってしまうこともあります。
まずは「なぜ自分は子どもに勉強してほしいのか?」という問いをご自身に向けてみることが大切です。
落ち着いて勉強できる環境づくり
お子さまにとっての「集中できる環境」は一人ひとり違います。リビングで親御さんのそばにいることで安心して集中できる子もいれば、自室で静かに取り組んだ方が集中できる子もいます。
一度、お子さまと一緒に学習環境を模擬体験してみて、どこなら集中できそうか、どんなものが気が散りやすいかを一緒に話し合ってみるのもおすすめです。
「ここでやってみよう」「これはしまっておこう」など、親子で相談しながら整えていくことで、学習に対するハードルも下がります。
生活リズムと声かけの工夫で習慣化を
「習慣」は環境と流れがつくるものです。例えば「毎日19時から1時間は一緒に学習する」と決め、その前後の時間に夕食やお風呂を組み込むと、自然と学習の時間が生活の中に定着していきます。
低学年や中学年のうちは、「今日はこのドリルを1ページだけ」など、具体的で小さな目標を一緒に決めることが大切です。高学年になれば、自分で計画を立てて実行する練習も必要になってきます。
それでも勉強しない時はどうする?
もし勉強に手がつかない様子が続くようなら、「何が嫌なのか」「なぜやりたくないのか」を率直に聞いてみましょう。
また、お子さまの得意なことや興味のあることから成功体験を積ませることも、やる気を引き出す一つの方法です。
「計算速いね」「覚え方が工夫できてるね」といった、できたことへの声かけが自信となり、次のチャレンジへの原動力になります。
「疲れた」と感じたら、親も休んでいい
保護者の方も、毎日子育てやお仕事に追われる中で、時には「もう限界かも…」と感じてしまうことがあるかと思います。
そんな時は一度立ち止まり、ご自身の気持ちを見つめ直してみてください。「今日はもう休もう」と自分に言ってあげることも、次の日のための大切な準備です。
また、お子さまを他のきょうだいや同級生と比べるのではなく、「この子自身がどうなのか」という目線で見守ってあげることで、親子関係もより穏やかなものになっていきます。
「勉強しなさい」と言わずとも、お子さまはきっと変わっていきます。
大切なのは、信じて、見守って、寄り添うこと。
焦らず、少しずつ、一緒に歩んでいきましょう。
何かお困りのことがあれば、いつでもご相談くださいませ。
ご家庭と塾が一体となって、お子さまの成長を支えていけたらと思います。