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・算数と数学では、何がどう違うのか
・なぜ小学校ではできた子でも、中学で数学につまずきやすくなるのか
・数学が苦手になりやすい子の特徴と、家庭でできるサポートの考え方
この記事の著者:ヒーローズ東郷校の先生東郷町の個別指導塾ヒーローズ東郷校の先生。誰にでもわかるように、そして今日から実践したくなるよう勉強法から伝え、一生役に立つ学習習慣が身につく指導を心がけています。
ヒーローズ東郷校について
「小学校のころは算数がそこまで苦手ではなかったのに、中学に入ってから急に数学でつまずくようになった」
そんな変化に戸惑う保護者の方は少なくありません。
家では勉強している。
計算もまったくできないわけではない。
それなのに、数学になると急に手が止まる。
テストでも思うように点が取れない。
そうなると、つい
「勉強不足なのかな」
「もっと問題を解かせたほうがいいのかな」
と思ってしまいがちです。
ですが、ここで一度立ち止まって考えたいのが、
算数と数学はつながってはいるものの、
同じ感覚のまま学べる教科ではないということです。
算数はできたのに数学で苦手になるのは、
決して珍しいことではありません。
そこには、子どもなりのつまずきやすい理由があります。
この記事では、
まず算数と数学の違いを整理し、
そのうえでなぜその違いが数学のつまずきにつながりやすいのかを見ていきます。
さらに、数学が苦手になりやすい子のチェックリストと、家庭でできるサポートについてもご紹介します。
目次
1. 算数と数学の違いとは?
算数と数学は、どちらも数や形を扱う教科です。
そのため、「小学校では算数、中学校では数学」
と名前が変わるだけのように感じられることもあります。
もちろん内容はつながっています。
ただ、学ぶ内容の重心は少しずつ変わっていきます。
よく「算数は具体、数学は抽象」と言われます。
これは方向としては正しいのですが、それだけでは少し説明が足りません。
より丁寧に言えば、
算数と数学の違いは、
何を理解し、何を身につける教科なのか
という点にあります。
・算数は「目の前の量を正しく扱う」学び
小学校の算数では、
- いくつあるのか
- どれだけ増えたのか
- 全部でいくらになるのか
- どう分ければよいのか
といった、目の前の量や場面を正しく捉えて処理することが中心になります。
たとえば、
- りんごが7個あって3個増えたら10個
- 120円のノートを3冊買えば360円
- 長方形の面積は、たて×よこ
というように、比較的イメージしやすい場面をもとに考えることが多くなります。
つまり算数は、
具体的な数量や形を扱いながら、
数の感覚、計算の力、基本的な考え方を
身につけていく学びだと言えます。
・数学は「関係や仕組みを捉える」学び
一方、中学校以降の数学では、
目の前の数字そのものよりも、
その背後にある関係や仕組みを見ることが大切になります。
たとえば、
- x や y を使って、まだ決まっていない量を表す
- 比例・反比例で、2つの量の変わり方を考える
- 式とグラフを結びつける
- 条件を整理して、一般的に成り立つことを考える
といった内容が増えてきます。
ここでは、答えを出すことだけでなく、
- なぜその式になるのか
- どんな関係があるのか
- この考え方は別の場面でも使えるのか
を考えることがより重要になります。
つまり数学は、
具体的な数字を超えて、
数や形のルール、関係、構造を考える学びなのです。
・いちばん大きい違いは「答えを出すこと」から「関係を理解すること」へ重心が移ること
もちろん、算数でも考えますし、数学でも計算します。
ですから、「算数は考えない」「数学は計算しない」
といった分け方は正確ではありません。
ただ、それでも重心は変わります。
算数では、
正しく計算できること
場面に合った答えを出せること
が大きな柱になります。
数学ではそれに加えて、
なぜそうなるのか
数量同士にどんな関係があるのか
ほかの問題でも同じ考え方が使えるのか
を考えることが強く求められます。
つまり、算数から数学への変化は、
単に「難しくなった」ということではなく、
“答えを出す学び”から、
“関係を理解する学び”へと重心が移る変化
だと考えると、本質が見えやすくなります。
2. なぜその違いで数学につまずきやすくなるのか
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ここが、このテーマでもっとも大切な部分です。
子どもが数学でつまずくと、
「小学校ではできていたのに、どうして急に?」
と感じやすいものです。
ですが、それは能力が急に下がったわけではなく、
求められる学び方の変化に、
まだうまく対応できていない
場合が少なくありません。
1. 計算の力だけでは足りなくなるから
小学校の算数では、
計算の正確さや基本パターンの習得が大きな力になります。
これはとても大切な土台です。
ただ、中学の数学では、
計算ができるだけでは前に進みにくい場面が増えてきます。
たとえば、
- 問題文の条件を整理する
- 何を文字で置くか考える
- 式とグラフをつなげる
- 複数の情報の関係をまとめて見る
といったことが必要になります。
そのため、
計算はできるのに、
何をどう考えればいいのかわからない
という状態が起こりやすくなります。
2. 覚えたやり方だけでは対応しにくくなるから
算数では、基本の型を身につけることがとても大切です。
実際、それで解ける問題も多くあります。
ですが数学になると、問題の形が少し変わっただけで、
覚えたやり方がそのまま通用しなくなることがあります。
すると子どもは、
- どの公式を使えばいいかわからない
- 見たことのない形になると止まってしまう
- 解説を読むとわかるのに、自分では解けない
という状態になりやすくなります。
これは努力不足というより、
表面の形で覚えていたものを、
意味や関係で捉え直す必要が出てくるからです。
3. 具体的なイメージだけでは考えにくくなるから
算数では、りんご、お金、長さ、面積など、
目に浮かべやすいものを扱うことが多くあります。
一方、数学では、
- x や y
- 負の数
- 比例・反比例
- 一次関数
のように、目の前の物としては
つかみにくい内容が増えてきます。
これは、数学が「見えないもの」
を扱うようになるというより、
目に見える場面の奥にあるルールや
関係を扱うようになると言ったほうが正確です。
ただ、子どもからすると、ここで急に
「なんとなくつかみにくい」
「イメージしづらい」
と感じやすくなります。
4. 一度つまずくと、苦手意識が積み重なりやすいから
数学は、前の単元の理解が次の単元につながりやすい教科です。
そのため、どこかでつまずくと、
「わからない」が積み重なりやすい特徴があります。
さらに、
- 答えが合わない
- 途中で止まる
- 授業についていけない
といった経験が続くと、
「自分は数学が苦手だ」
という思い込みが強くなりやすくなります。
こうなると、本当は理解できる力があっても、
苦手意識が先に立って考えられなくなることがあります。
つまり数学のつまずきは、
内容の難しさだけでなく、
学び方の変化と気持ちの面が重なって起こる
ことが多いのです。
3. 数学が苦手になりやすい子のチェックリスト
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ここまで見てきたように、
算数と数学では、
求められる力の重心が少しずつ変わっていきます。
そのため、小学校のころは算数ができていた子でも、
中学に入ってから数学で急につまずくことがあります。
以下は、数学で苦手意識を持ちやすい子に見られやすい特徴を整理したチェックリストです。
たくさん当てはまったとしても、
必要以上に心配しすぎる必要はありません。
大切なのは、
「できる・できない」を決めることではなく、
どこでつまずきやすいのかを見つけることです。
「うちの子、こんな様子があるかも」という視点で、
気軽にチェックしてみてください。
【文章題や式づくりで止まりやすい】
- ① 計算問題はできるのに、文章題になると急に手が止まる
- ② 式を立てる前に、何をどう考えればいいかわからなくなる
- ③「なぜその式になるのか」と聞かれると説明しにくい
- ④ 答えは出せても、途中の考え方を書くのが苦手
- ⑤ 問題の形が少し変わると、急に解けなくなる
- ⑥ 問題文を最後まで整理する前に、すぐ式を書き始めてしまう
【覚えたやり方に頼りやすい】
- ⑦ 解き方を覚えることに頼りがちで、意味までは十分に考えていない
- ⑧「とりあえず計算すれば何とかなる」と思いやすい
- ⑨ 公式は覚えていても、どんなときに使うのかがあいまい
- ⑩「合っていればいい」と思い、考え方を振り返ることが少ない
- ⑪ 授業を聞くとわかった気になるが、ひとりで解くとできない
- ⑫ 解説を読むと納得するのに、少し時間がたつとまた解けなくなる
【文字や抽象的な考え方でつまずきやすい】
- ⑬ 文字式が出てきたあたりから、数学が急に苦手になった
- ⑭ x や y を、数字というより「よくわからない記号」のように感じている
- ⑮ 数字だけの問題はできるのに、文字が入ると難しく感じる
- ⑯ 正負の数になると、数の大小や向きのイメージが持ちにくい
- ⑰ 比例・反比例あたりから、急にわからなくなった
- ⑱ 数学で、目の前の数字より「関係を考える」問題が増えると混乱しやすい
【数の感覚や計算の土台に不安がある】
- ⑲ マイナスの計算で混乱しやすい
- ⑳ 分数や小数が混ざると、自信をなくしやすい
- ㉑ 暗算や筆算はできても、数の意味を深く捉えられていないことがある
- ㉒ 途中式を省きがちで、自分でもどこで間違えたのかわからなくなる
- ㉓ 計算ミスが多いのに、見直しの仕方がわからない
- ㉔ 同じミスを何度もくり返しやすい
【図・グラフ・条件整理が苦手】
- ㉕ 図や表、グラフと式のつながりが見えにくい
- ㉖ 問題文のどこが大事なのかを読み取るのが苦手
- ㉗ 図形では「なんとなく」で考えがちで、根拠を言葉にしにくい
- ㉘ ひとつの内容を、式・図・言葉で結びつけて考えるのが苦手
【苦手意識が先に立ちやすい】
- ㉙ ひとつの問題に時間がかかると、すぐに焦ってしまう
- ㉚ 間違いが増えてから、「自分は数学が苦手だ」と思い込んでいる
・チェックするときの目安
厳密な基準ではありませんが、
ひとつの目安としては次のように考えられます。
0〜7個
大きな心配は少なめです。
ただし、特定の分野に偏って当てはまる場合は、
その単元でつまずき始めている可能性があります。
8〜15個
数学への苦手意識が
少しずつ強くなっているかもしれません。
この段階では、問題数を増やすより、
考え方を言葉にする練習が大切です。
16個以上
つまずきがかなりはっきりしている可能性があります。
たくさん解かせる前に、
どこで考えが止まっているのかを
丁寧に見つけることが大切です。
・このチェックリストで大切にしたいこと
このチェックリストは、
「数学が苦手な子」と決めつけるためのものではありません。
大切なのは、
どの項目が多かったか
どの場面で止まりやすいのか
を見て、学び方を調整することです。
たとえば、文章題や条件整理に関する項目が多ければ、
整理する力を支える必要があるかもしれません。
文字式や比例・反比例に関する項目が多ければ、
抽象的な考え方への切り替えで苦戦している可能性があります。
このように、苦手をひとまとめにせず、
つまずき方の違いを見ることが、
次のサポートにつながります。
4. チェック結果から見えてくること
このチェックリストで見えてくるのは、
数学が苦手になる子の多くは、
「頭が悪い」のではなく、
「どこかの切り替え」で苦戦しているということです。
たとえば、
計算問題は解けるのに文章題で止まる子は、
計算力そのものより、
条件を整理して式に変える力
で苦戦しているのかもしれません。
また、文字式や関数で急に苦手になる子は、
数字そのものを見る学びから、
数量同士の関係を見る学びへの切り替え
で戸惑っている可能性があります。
ここで大切なのは、
「数学が苦手」のひとことで全部まとめないことです。
数学の苦手には、
- 計算はできるが、整理が苦手
- 解説はわかるが、自力では再現できない
- 答えは出せるが、意味があいまい
- 不安が強く、考える前に止まってしまう
といった、いくつものタイプがあります。
だからこそ必要なのは、
「もっと頑張らせること」よりも、
どこで止まっているのかを見つけることです。
また、チェック項目の数はあくまで目安です。
多く当てはまったからといって、
すぐに深刻だと決めつける必要はありません。
大切なのは、
何個当てはまったかだけでなく、
どの種類の項目が多かったかを見ることです。
そこが見えてくると、
「何が苦手なのか」ではなく、
「どこをどう支えればよいのか」
が見えやすくなります。
5. 家庭でできるサポート
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数学が苦手そうだと感じたとき、
家庭での関わり方にも大切なポイントがあります。
無理に教え込むより、
考え方を整理しやすくすることが大切です。
1. 答えより「どう考えたの?」を聞く
正解か不正解かだけで終わると、
子どもは「合っていればいい」と思いやすくなります。
それよりも、
「どう考えたの?」
「どこでそう思ったの?」
と聞くことで、考え方を言葉にする練習になります。
数学では、答えだけでなく、
そこに至るまでの過程がとても重要です。
言葉にすることで、
本人も理解のあいまいさに気づきやすくなります。
2. 途中式やメモを省かせない
頭の中だけで解こうとすると、
自分でもどこで間違えたのかわからなくなります。
途中式や図、メモを書くことは、
遠回りに見えてかなり大切です。
特に数学が苦手な子ほど、
頭の中だけで処理しようとして
混乱しやすい傾向があります。
書きながら整理する習慣をつけるだけでも、
理解しやすさは大きく変わります。
3. 間違えた問題を「やり直しの教材」にする
数学が伸びる子は、
できた問題を増やす子というより、
間違えた問題から学べる子です。
解き直しのときは、
- なぜ間違えたのか
- どこで考え違いをしたのか
- 次は何に気をつけるか
まで見られると理想です。
ただ答えを直すだけで終わるのではなく、
間違いの原因を見つけることが力になります。
4. 文章題は図や表に直してみる
問題文だけで考えるのが苦手な子は少なくありません。
そんなときは、図や表にして整理するだけで、
一気に見えやすくなることがあります。
数学は頭の中だけで考える教科に見えますが、
実際には
見える形に整理すること
がとても大切です。
5. 「数学が苦手な子」ではなく「今ここでつまずいている子」と見る
この見方はとても大切です。
「苦手な子」と決めつけると、
本人もそのイメージを持ちやすくなります。
そうではなく、
“今はこの部分で止まっている”
と具体的に見てあげることで、
改善の道筋が見えやすくなります。
苦手を才能や性格の問題にせず、
学び方やつまずき方の問題として捉えることが大切です。
6. まとめ
算数と数学の違いは、
単に小学校と中学校で呼び方が変わることでも、
ただ難しくなることでもありません。
算数は、具体的な数量や形を扱いながら、
数の感覚や計算の力、
基本的な考え方を身につける学びです。
一方、数学は、
その背後にある関係や仕組み、
ルールを考える学びです。
つまり、算数から数学への変化は、
“答えを出すこと”を中心とした学びから、
“関係を理解すること”
がより強く求められる学びへの変化
だと言えます。
そのため、小学校ではそれなりにできていた子でも、
中学に入ってから急に数学でつまずくことがあります。
そんなときに大切なのは、
「数学が苦手」とひとまとめにすることではなく、
どこで止まっているのかを見つけることです。
チェックリストは、
そのための入口として役立ちます。
当てはまる項目が多かったとしても、
必要以上に不安になる必要はありません。
大事なのは、苦手を責めることではなく、
つまずき方を理解し、
学び方を少しずつ調整していくことです。
算数と数学の違いが見えてくると、
「できない」の正体も、
少しずつ見えやすくなってきます。
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