こんにちは、個別指導学院ヒーローズ富塚校、教室長の鈴木です。
「そろそろ塾に行かせたほうがいいと思って」
小6のお子さんを育てているお母さんから、こういうご相談を受けることが、この時期は特によくあります。詳しく聞いてみると、今のところ大きく困っているわけではないことがほとんどです。宿題も普通にやっている。テストの点も、崩れてはいない。家でも、これといって荒れている様子はない。それなのに、話しているうちに、だんだん不安そうな表情になっていく。今日は、その不思議な焦りの正体について、僕が普段考えていることをお話しさせてください。

「周りは行ってるのに、うちはまだ」——その焦り、実はどこから来ているのでしょうか
理由を一つずつ挙げてもらうと、「周りはもうみんな塾に行ってる気がして」「自分も中学で苦労したので」「ネットでもよく見るので」という言葉が出てきます。ここで僕がいつも気になるのは、その理由のどれもが、実は目の前のお子さんそのものを見て出てきた不安ではないことです。
友達との比較だったり、ご自分の中学時代の記憶だったり、スマホで見かけた誰かの体験談だったり。いわば、間接的な情報源から少しずつ焦りが積み上がっている状態です。大げさでも、意識が高すぎるわけでもありません。台風が近づいていると聞けば、まだ雨が降っていなくても傘の場所を確認しておきたくなる。それくらい自然な心の動きだと、僕は思っています。
面白いのは、「傘の場所を確認したい」という気持ちと、「今すぐ傘を差して外に出たい」という気持ちは、実は違うということです。多くのお母さんが本当に求めているのは、後者ではなく前者だったりします。つまり「今すぐ入塾を決めたい」のではなく、「何かあったときのために、心づもりだけしておきたい」という感覚に近いのではないかと、僕は面談のたびに感じています。
中学に入ると何が変わるのか、僕が実際に見てきたこと
とはいえ、その不安がまったくの取り越し苦労かというと、そうとも言い切れません。中学に入ると、実際にルールは変わります。部活動が始まり、定期テストが始まり、県学調のような広域のテストも入ってきます。生活のリズムそのものが、小学生時代とはっきり違うものになっていきます。
僕がこれまで富塚中の校区を中心に見てきた中で感じるのは、「今まで困っていなかった子」が、この変化のタイミングで急に苦しくなるケースが、決して少なくないということです。理由は単純で、それまで困らずに済んでいた生活のやり方が、新しいリズムには合わなくなるからです。悪いことをしていたわけでも、努力が足りなかったわけでもありません。ただ、道具が変わったのに、同じ使い方を続けてしまっているだけ、というイメージに近いと思います。
今のところ困っていないという事実は、この先も困らないという保証にはなりません。ここが混ざってしまうと、「様子を見よう」か「とりあえず入れておこう」かのどちらかを、根拠がないまま選ぶことになってしまいます。
「塾に行くかどうか」を決める前に、僕がまず一緒にやりたいこと
面談でその場の空気に流されて、すぐに入塾を決めてしまうご家庭を、僕はあまりお勧めしていません。最初にやりたいのは、その漠然とした心配の中身を、一緒に分解していくことです。
「なんとなく不安」という言葉を、もう少し具体的にほどいていくと、実は勉強のやり方そのものよりも、次のようなことが心配の正体だったりします。
- 生活リズムが大きく変わることへの不安
- 友達関係が変わることへの不安
- 部活と勉強、両方の両立ができるかという不安
- 自分の子がどんなペースで新しい環境に慣れていくタイプなのか、まだつかめていない不安
こうして中身を言葉にしてみると、「塾に行けば解決する」という単純な話ではないことが、たいてい見えてきます。塾は、その不安のすべてを引き受けられる場所ではありません。でも、その不安の中身を一緒に整理し、「今のこの子なら、この変化にはこんな準備の仕方が合いそうだ」という見立てを一緒に立てることはできます。
僕が面談で大事にしているのは、こちらから「入るべきです」と結論を急がないことです。まずお子さんの今の様子、得意な場面、苦手になりやすい場面をゆっくり聞かせてもらい、そのうえで、通うかどうかを決めても遅くはないとお伝えしています。
決める前に、一度だけ僕に話してみませんか
正直に言うと、この段階でご相談をいただいても、僕から「絶対に通ったほうがいいです」とは言いません。まだ何も崩れていないなら、崩れていないなりの準備の仕方があるからです。
無料の学習相談では、まず何にモヤモヤしているのかを、一緒に言葉にするところから始めます。お子さんが新しい環境に対してどう反応しやすいタイプなのか、部活と勉強の両立で特につまずきやすいポイントはどこか。そういった話をひととおりするだけで、「入るか入らないか」より先に、次に何を見ておけばいいかが見えてくることのほうが多いです。
心配の中身がはっきりすれば、通うにしても、もう少し様子を見るにしても、選び方は変わってきます。まずは、その輪郭を一緒に見るところから始めませんか。









