小学校と中学校は、同じ義務教育でも様々な面での違いがあります。この違いに早い段階で慣れることができるかどうかが、充実した中学校生活を送るうえでの重要なポイントの1つです。そこで今回は、小学校と中学校の違いについて勉強面と生活面から解説します。これから中学生になるお子さんを持つ方はぜひ参考にしてみてください。
◆勉強面の違い
まずは、勉強面での違いから解説します。科目の変化や進め方の違い、先生の違いなど様々な違いがあるので、特徴を抑えておきましょう。
▼授業の進め方
小学校の場合、使用する教科書は比較的薄いため、先生も時間に余裕を持って授業を進めることができます。授業内での復習や予習を行うこともできるので、生徒全員が授業内容に対する理解を深めることが可能です。基本的には授業内容をしっかり聞いていれば、授業についていくことは十分できるでしょう。
一方の中学校は、教科書で扱う内容が増えるため、授業のスピードがアップします、小学校のように授業内での復習を行う機会はほとんどないでしょう。基本的には授業で触れた=理解したという形で進んでいくため、自分で復習を行なっていないと授業についていけなくなる可能性もあります。
▼授業時間
小学校は学校による違いもありますが、概ね40分〜45分で授業が行われています。短い時間の授業なので生徒も集中力を保ちやすいと言えるでしょう。
一方で中学校になると授業時間が増え50分~〜60分程度になります。時間にすれば5分〜20分ほどですが、1日の時限数も増えるため、小学校の時よりも勉強に取り組む時間が大幅に増えます。そのため、集中力を維持するのが難しくなる生徒も出てくるでしょう。
▼科目の変化
以前はなかった英語の授業も、すでに小学校で習うようになっていますが、小学校の英語の授業はどちらかというと、英語に触れて楽しむといった要素が強くなっています。一方で、中学校になると、英語はより学問としての要素が強くなります。英語が慣れ親しむものから知識や実践するものとして学んでいくものへと変わっていくので、最初のうちは戸惑いがあるかもしれません。
また、小学校までは「算数」として習っていたものが、中学校からは「数学」になります。数学になると文字式を扱うようになるなど、より難易度が上がるため、理解できずについていけなくなる人も出てきます。
▼科目ごと担任の先生が変わる
小学校は、音楽などの一部の教科を除き、担任の先生が全ての科目の授業を行います。朝礼や昼食の時間も一緒に過ごす先生なので、親しみを持ちやすく、授業での不明点に関しても質問しやすいのが特徴です。
一方で、中学校になると、科目ごとに担当の先生がおり、時限ごとに先生が変わります。色々な先生と関わることができるのはメリットの1つですが、関わる時間の少なさから質問をしづらいと感じる可能性もあります。
▼テスト
小学校のテストは、1ヶ月に1回程度行われ、テスト内容も基本的な内容が中心のため、難問と呼ばれるような問題はほとんど出てきません。そのため、高得点を取れる生徒が多く存在します。
一方で、中学校になると、1ヶ月に1回のテストではなく、「中間」「期末」「学年末」といった形で、決まったタイミングで全教科のテストを行うことになります。また、テスト問題は、基本的な内容に加え応用力を確認するような問題も出てくるため、難易度は高いと言えるでしょう。暗記や公式を単純に当てはめるだけでは解けない問題もあるので、平均点を下回ってしまう生徒も出てきます。
◆生活面の違い
ここからは、生活面での違いについて解説します。多感な時期であることに加え、部活動も始まるので小学校時代とは大きく変化していきます。
▼部活動のスタート
小学校と中学校の大きな違いの1つが、部活動が始まることです。小学校にもクラブ活動がありますが、部活動はその活動内容がより本格的になります。学校にもよりますが、部活への参加が決められているケースもあり、多くの生徒が部活動に参加することになるでしょう。中には、本気で全国大会を目指して厳しい練習を行うところもあり、本気で何かに取り組むことは生徒にとっては貴重な経験になるはずです。
一方で、部活に熱心すぎるあまり、勉強が疎かになってしまうケースも珍しくありません。部活で疲れているから宿題をしない、授業中に居眠りをしてしまう、となっては本末転倒です。
部活動に参加する場合、勉強と部活の両立を目指す必要があります。
▼帰宅時間の変化
小学校の場合、授業が終わり帰宅するのが15時半〜16時過ぎです。その後、友達と遊んだり、自宅でゆっくり過ごしたり、習い事に行ったりしていたのではないでしょうか。一方で、中学校は授業が終わる時間が小学校よりも遅く、さらにそこから部活動や生徒会活動などがあるため、帰宅時間が18時を過ぎることも珍しくありません。小学校まではたくさんあった自由時間が減少するため、生徒によっては疲れやストレスが溜まりやすくなる可能性があります。
▼通学範囲が広くなる
中学校は、小学校よりも通学範囲が広くなり、複数の小学校出身者が集まることになります。新しい友達を作るチャンスではありますが、交友関係の構築に苦労するケースも中にはあるでしょう。例えば、新しいクラスに同じ小学校出身者が少なく、他の小学校出身者同士ですでに友人グループが出来上がっている可能性も十分にありえます。そうなるとクラス内で孤立し「学校がつまらない」と感じてしまう恐れがあります。
▼親に対する態度の変化
中学生は人生の中でも最も多感な時期です。中学生の本分は勉強ですが、勉強以外のことにも興味を持ちがちです。また、思春期を迎え親に対して反抗的な態度を取るケースもあります。
まとめ
今回は、小学校と中学校の違いについて解説しました。小学校時代の感覚で中学校生活をスタートさせると様々なギャップに戸惑うことになります。ぜひ今回ご紹介した内容を踏まえて違いを把握し、より充実した中学校生活を送っていただければと思います。