【卒塾生Hくんへの感謝と思い出】
今回は、Hくんへの思いをここに残したいと思います。
彼とは長い付き合いでした。
私がこの教室に配属されてから3年。
その間、数えきれないほどの時間を共に過ごしてきました。
思い返せば、Hくんがうちの塾で一番伸びて、そして一番頑張ってくれた生徒だったと、私は心から思っています。
本当にいろんなことがありました。
受験直前も、心配で心配で仕方がなく、時に厳しい言葉を投げかけながら「勉強しろ!」と詰めた指導を行ったこともありました。
やらない生徒さんは本当にやらない。
頭ごなしに言っても、言えば言うほど離れていくものです。
だからこそ、普段から「褒めて、認めて」、生徒の自己肯定感を育てること。
そして、私自身を信じてもらえるよう努力し続けることが何より大切だと、改めて実感しています。
信頼関係が築けていなければ、本当に大事な時に、言葉は届きません。
Hくんは、たくさんすったもんだありながらも、最後まであきらめず、第一志望に合格してくれました。
それも、自分自身の力で勝ち取った合格です。
本当に、心から感謝しています。
私は年に5日間、予備自衛官の訓練に参加しています。
まさかの受験直前、訓練と重なってしまった今回。
そんな中でも、どうしてもHくんに伝えたかった思いがあり、訓練中に送ったメッセージがあります。
一部をここに引用させてください。
読みづらい口語表現もありますが、私たちのやり取りのリアルな温度を、少しでも伝えられたらと思っています。
またこの経験が少しでも読んでくださった人の何かしらのお役に立つよう願っております。
教室長からHくんへ
本当に頑張ったな。
すごく大変だったと思う。
なんだかんだここまでやり抜いたのは、Hしかいない。
辛さや苦しさは、Hにしかわからない。俺にもわからない。
けどな、他人は心なんて見えないから、行動や点数でしか判断しない。
ここまで頑張ってきたのに、最後に手を抜いて受験に落ちたら、誰よりもお母さん、お父さん、お兄ちゃんが悲しむぞ。
もちろん、俺もめちゃくちゃ悔しい。
だから、もし心が折れそうになったら、「自分のため」じゃなくて、「自分を一番に想ってくれる家族のため」に頑張ってほしい。
それから、俺が目の前にいないときは、スマホはお母さんに預けて勉強しろ。
調べものが必要なときだけ、お母さんの前で使え。
いつも言ってるよな。自分に負けんな。
今日、塾に来たら講師の先生にスマホを預けて、全力でやれ。
あと少しだ。
俺も今からフル装備で走ってくる。
まさか訓練中に携帯打つとは思わなかったけど、Hが受かるなら何でもする。
なんでもない、頼むな。
入試当日の朝
覚悟を決めたHくんの、凛とした表情。
写真を見るたびに、感慨深い気持ちになります。
本当に、大きく成長しました。
受験勉強の過程で、悔しい思いもたくさんしたと思う。
思うようにいかず、投げ出したくなったこともあったと思う。
それでも、最後までやり抜いて、笑顔で第一志望合格。
勝ったな。
本当に、おめでとう。
Hくんへ
苦手なものは苦手だった。
だけど、最後まであきらめなかった。
何度もくじけそうになったとき、私はHの背中を押した。
時には厳しく尻を叩いた。
それでも耐えて、前を向いて頑張ってくれた。
私は決してHが言うような「いい先生」なんかじゃない。
それでも、お前は俺を信じてついてきてくれた。
マジで感謝してる。
覚えておいてほしい。社会に出ても私みたいに、Hのこと気にかけてくれる人は必ずいる。
クセつよで頑固で偏屈だけど、必ずHのことを気にかけてあれこれ世話焼いてくれる人がいる。
そういう人との縁は大切にな。
これからは、夢だったプログラマーの道へ進んでください。
親孝行ができる立派な大人になりたいって私に言ってくれたよな。
Hなら必ずなれるよ。
本当にありがとう。
これからも、心から応援している。
追記
小学生の頃から彼を知っています。
幼かった男の子が今や立派な高校生に。
男の子は自分の顔に責任を持たなければなりません。
プライバシー配慮のよりお顔は見せれませんが、試練を乗り越えたHくんは自信に満ちた顔をしております。
受験後、塾に挨拶に来てくれるたびに背も伸びて、ハンサムな男になったな~と感慨深く思いました。
頑張り切った経験は、彼の今後の人生きっと役に立つはずだと確信しております。