STEM教育というのをご存知でしょうか?
数年前に、アメリカ前大統領のオバマ氏が一般教書演説において、このSTEM教育をキーワードとして挙げて一気に世界に広まった言葉です。STEMとは、すなわちScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathmatics(数学)分野に重きを置いた教育体制のことです。これらの教育方針は、科学と数学を土台として展開する科学技術人材育成を行おうというものであり、これからの時代にとってなくてはならないものとされています。
実際に、アメリカでは年間30億ドルもの予算をかけて、こうした人材の育成のための教育に力を注いでいます。
さて、最近になると、このSTEM教育は、STEAM教育と呼ばれるようになりました。
先ほどあげた4つの分野に加えて、Art(芸術)が追加された形になります。これからの時代を生き抜くために必須の分野と言われていますが、いまいちピンと来ない人もいると思います。
STEAM教育の分野はAIが苦手とする分野である
一般的にSTEAM教育が有利とされるのは、AIが苦手とする分野だからです。
そう遠くない未来である2030年にAIやロボットで置き換えができる仕事は、日本では今の労働人口の49%とされています。約半数がAIやロボットに置き換わってしまう――そんな未来が予測されているのです。現状のまま何もせず時代が進んだ場合の試算ではありますが、ゾッとする話ですよね。
そんな未来にしないために、STEAM教育というのが注目されることになったわけです。
と、同時に、これらの技術やスキルは、グローバル化した今の世の中にとっては世界中で必須とされるものです。日本のみならず、国際競争力をもった人を育成することが大切になっているので、重要とされるのも何となく理解できるでしょうか。
世界で大人気のSTEM教育
STEM教育は、世界で今もっとも熱い教育方針の一つです。
2000年代初頭に、IT革命があったのもその契機の一つと言われています。IT技術が世界を席巻し、ITを駆使すると、こと情報という分野においては物理的な距離は関係なくなりました。IT系の技術は、国際的なシェアをどれだけとれるかがカギになっていきました。スマートフォンやタブレット、パソコンのOSなどはその最たる例だといえます。
2010年代になるとアジア諸国でも、STEM教育に力を入れるようになりました。シンガポールやインドといったアジアの新興国は、この教育にかなり力を入れているそうです。
遅れること10年。ようやく日本でも……
2020年の教育改革でようやく日本でもSTEM教育が取り入れられることとなりました。プログラミング的教育というのはその一例です。
世界との距離が小さくなっている昨今、この遅れた分が果たして取り戻せるかどうかがカギになっています。
もちろん、ヒーローズでもこれからどんどんSTEM教育を授業に取り入れていく予定です。