勉強しようと思ってた時に限って、「勉強しなさい」と言われた経験はありませんか?
そういう時、素直に勉強しようという気持ちになれたでしょうか?
――おそらく、多くの人は、「NO」と答えると思います。
そうやって言われたことで、かえってやる気をなくしたという経験をした人のほうが多いのでは?
自分の選択を否定されると人はモチベーションが下がる
人は、生まれながらにして、自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求があります。けれど、それを他人から強制されたり選ぶ権利を奪われたりすると、たとえそれが自分にとってどんなに良いことでも無意識的に反発したくなります。それを心理学の世界では、「心理的リアクタンス」といいます。
「勉強しなさい」というのも同じです。
勉強するかしないかという選択を自分で選べないので、反発したくなります。結果として、やる気がなくなるという状況におちいってしまいます。
誰かに決めつけられる、強制されるというのは、自己を否定されることですから、自己肯定感の欠如にもつながります。
とはいえ、「勉強しなさい」と言われなければ、勉強しないということもあるはず。
強制と感じるかどうかは互いの信頼関係で決まる
相手からの言葉に対して心理的リアクタンスを起こすかどうかは、その相手との相互の信頼関係によって変化します。相手に対して、信頼感がないとか、揺らいでいるという状態のときに、「~しなさい」と言われると反発感が強くなってしまうのです。
信頼関係がしっかりと築けていれば、受ける印象も変わってきます。
信頼関係がまだ未熟なうちは無理やり何かをやらせようとするのではなく、「勉強する」という選択を自分で選んだと思うように言葉を選ぶと心理的リアクタンスは発生しにくくなります。
命令するーーではなくて、相手が自ら動きたくなるように声掛けをするーーこういったことを日々できるように精進したいものです。