こんにちは、個別指導学院ヒーローズ富塚校、教室長の鈴木です。
「家では何回言っても動かないんです」
面談でこの言葉を聞くと、僕が次に気になるのは、実は「動かない」ことそのものではありません。声をかけたあと、お子さんがどんな顔をするか、どんな返事をするか。そちらの方がずっと気になります。
黙る。話題を変える。目線が落ちる。「うん」とだけ言って終わる。もしご家庭でこういう場面に心当たりがあるなら、今日の話は、きっとお役に立てると思います。

「やる気がない」のではなく、「守っている」のかもしれません
浜松の中でも、富塚中の校区あたりは、昔から教育熱心なご家庭が多いエリアです。だからこそ、こうした沈黙を「やる気がない」「反抗期だから仕方ない」と片づけたくなるお気持ちは、僕もよく分かります。
でも僕は最近、「やる気がない」と決めつける前に、別の可能性を考えるようにしています。それは、「これ以上しんどくならないように、自分を守っているのかもしれない」という見方です。
雨が強くなってきたら、人は傘をさします。それと同じで、心にも防御反応があります。「なんでやらないの」「ちゃんと考えてるの」という正しさの雨が続くと、子どもは自分を守るための傘を開きます。その傘の名前が、「黙る」であることが多いんです。
これは反抗でも、怠けでもありません。話すより黙る方が、この場では安全だと学習した結果です。県学調の結果や日々の宿題を巡って、「正しさ」で押される時間が続くほど、この傾向は強くなりやすいと僕は感じています。
好きなアニメやゲームの話なら止まらないのに、勉強の話題になったとたんに声が小さくなる。ワークを開いて手は動いているのに、声をかけた瞬間だけぴたっと止まる。こうした場面を見るたびに、僕は「この子はやる気がない」ではなく、「この子は今、安心よりも防御を優先している」と読み替えるようにしています。安心したい気持ちや、自分で選びたい気持ちが強い子ほど、正しさで押されると余計に固くなる。これは弱さではなく、その子なりの生き延び方だと僕は思っています。
では、黙ってしまった子に、僕はどう関わっているのか
僕がまず変えるのは、お子さん本人ではありません。声のかけ方と、そのときの空気です。大人が変えられるのは、本人そのものではなく、言葉と関わり方と空気の3つだけだと僕は思っています。でも、その3つが変わるだけで、同じ子でも選ぶ行動はけっこう変わります。
たとえば、こんなふうに言葉を置き換えます。
- 「なんでやらないの」ではなく、「どこからなら始めやすい?」
- 「ちゃんと考えてるの」ではなく、「今いちばん重いのはどこ?」
- 「早くやりなさい」ではなく、「今日はどこまでならいけそう?」
動かし方を先に考えるのではなく、どの言葉なら子どもの心が閉じにくいかを、僕は先に見るようにしています。追いつめる言葉を減らすほど、お子さんは自分から状況を話しやすくなります。これは甘やかしているのではなく、話せる状態を先につくっているだけです。安心して話せる相手には、少しずつ本音を出せるようになるお子さんを、僕はこれまでたくさん見てきました。
富塚で面談をしていると、家では一言も勉強の話をしたがらないのに、教室では自分から「ここが分からない」と言えるお子さんに、よく出会います。違いは能力ではなく、その場が安全かどうかです。安全だと感じられれば、子どもは自分から動き出せる力を、もともと持っています。
そしてこの「安全に話せる状態」は、勉強のやり方を教える以前の土台だと僕は考えています。どこで止まっているかを自分の言葉にできて初めて、間違いを責める材料としてではなく、次に活かす材料として扱えるようになります。逆に、黙ったまま防御している間は、どれだけ良い勉強法を渡しても、本人の中まで届きません。だからこそ僕は、行動を変えさせる前に、まず話せる空気をつくることを優先しています。
沈黙が減ると、勉強そのものの表情も変わっていきます
安心して話せる相手ができると、子どもたちの様子は少しずつ変わっていきます。最初は「別に」「普通」としか言わなかった子が、「今日はここまで進んだ」「ここがまだ怪しい」と、自分の言葉で現在地を話せるようになる。そうなると、勉強は「やらされる作業」から、「自分で舵を取れるもの」に近づいていきます。
僕はこの変化を、特別な指導技術で起こしているわけではありません。ただ、正しさで押す言葉を減らし、閉じにくい言葉を選び続けているだけです。それだけで、同じ子でも表情がまったく変わってくることを、これまで何度も見てきました。
一人で抱え込まなくて大丈夫です
「これ以上どう声をかけたらいいのか分からない」「言えば言うほど、余計に黙ってしまう」——そんな状態が続くと、お母さん自身も、自分の関わり方が間違っているのではないかと、苦しくなってしまいますよね。
でもそれは、関わり方が間違っているからではなく、今使っている言葉が、今のそのお子さんにとって少し重すぎるだけ、ということが本当に多いんです。
もしよろしければ、一度僕とお子さんの「黙り方のクセ」を、一緒に見させてもらえませんか。無料の学習相談では、いきなり勉強の話を詰めることはせず、まずどんな言葉やどんな空気なら、お子さんが心を閉じずにいられるのかを、一緒に探すところから始めています。
「話さない子」ではなく、「まだ安心して話せる言葉に出会えていないだけの子」。そう見方をひとつ変えるだけで、ご家庭での会話も、お子さんとの距離感も、驚くほど変わっていきます。焦らず、まずは今の関わり方を一緒に振り返るところから、始めてみませんか。









