「受験前に引っ越した」 福岡県立高の学区制
(本日は、西日本新聞meの記事をシェアいたします)
来春の高校入試に向け、中学生が志望校の絞り込みを進める時期だ。
福岡県立高校の全日制普通科は、居住地によって13の学区(通学区域)に分かれ、学区内の高校しか受験できない。
47都道府県の半数以上で学区制が撤廃される中、福岡県の学区の細かさは全国有数。
本紙「あなたの特命取材班」がLINE(ライン)でつながる「あな特通信員」に学区制の是非を問うと、700人超から回答があり、「住所ではなく能力で学校を選べるようにすべきだ」「都市部に人気が集中する」と賛否の声が寄せられた。
アンケートは10月末から実施。学区制「廃止」が約5割、「現状維持」は約3割で、学区を広げてほしいという声も2割弱あった。
中学3年の子どもがいる福岡市の女性会社員(50)は「自宅から通学しやすい高校は学区が異なるので選択できない。教育の機会を奪う権利侵害だ」。
福岡県とほぼ同じ人口の北海道は19学区あるが、面積は約17倍。「福岡で13学区は多すぎる」と憤る。
道教育委員会によると、道立高は学区外からの進学が一定割合で可能。
原則認めない福岡の厳しさは際立って見える。
わが子の進学の際、学力に見合う公立高がなかったと嘆く筑前町の女性会社員(51)は「各学区の“1番校”の偏差値には大きな差がある。
住所ではなく能力で学校を選べるようにしてほしい」と訴えた。
希望する県立高を受験するため「親戚の家に住民票を移した」「受験前に引っ越した」という体験談も複数寄せられた。
飯塚市の男性教員(48)は学区制が「居住地を決める条件の一つになっており、地域の均衡ある発展を阻んでいる」と指摘する。
一方、学区制維持を求める人の多くは「(学区制がなくなれば)人気がある学校に生徒が集中し、過疎化が進み定員割れが続く学校との格差が広がる」(春日市、高校2年女子)と懸念。
遠方から通う際の通学面の負担も根強かった。
飯塚市の男性教員(41)は「地元の学校がなくなってしまう危惧がある。子供のために選択肢を残してほしい」と求めた。(仲山美葵、金沢皓介)以上、西日本新聞meの記事全文
●まとめ
福岡県立高校では、13学区に分けられた通学区域に基づき受験校が制限されます。
アンケートによれば、学区制の「廃止」を望む声が約半数、「現状維持」が約3割、「学区拡大」が約2割弱。
住所制限により通学しやすい高校を選べないことや、学区間の偏差値差への不満が挙げられる一方、学区制を支持する人々は、廃止で人気校への集中や過疎化、学校の定員割れが進む懸念を指摘。
地域間のバランス維持や通学負担への配慮が求められています。