寝る前の読書にはメリットが多いことは前回ご紹介しました。
では今回は、十分な効果が発揮されるよう、これからご説明するポイントはぜひ守ってみてください。
・電子書籍ではなく紙の本
寝る前の読書には、電子書籍ではなく紙の本を選んでください。スマートフォンやタブレットの画面から発せられるブルーライト(青っぽい光)を浴びると、寝つきが悪くなってしまうためです。
人間の脳は、日光に含まれるブルーライトを感知すると「昼間だ」と認識するようできています。液晶画面のブルーライトを浴びても、やはり「いまは昼間だ!」と脳が勘違いしてしまうのです。
・照明は暖色
ブルーライトを避けるため、寝る前の読書には暖色の照明がおすすめです。
あなたのお部屋の照明は、青白くありませんか? それは「昼光色」や「昼白色」と呼ばれるもので、多めのブルーライトを含んでいます。
寝る前の読書に適しているのは、ほんのり赤味がかった「電球色」や「温白色」。神経科学者の前田多章氏によれば、暖色の照明にはブルーライトが少ないため、メラトニンの分泌を妨げにくいそうです
・ベッドで読まない
寝る前に読書する場所は、ベッドではなく、机やソファーがおすすめです。
睡眠医学を専門とする精神科医・梶村尚史氏によると、「ベッドは眠るためだけの場所」と脳に覚えさせるのが大切。寝る直前と目が覚めた直後を除き、なるべくベッドに上がりません。脳が「ベッド=寝るための場所」と学習し、ベッドに入ったら自然と眠くなりますよ。
しかし、ベッドでほかのことをすれば、脳がベッドを「本を読む場所」や「ゲームで遊ぶ場所」と認識してしまいます。ベッドに入っても、「本を読もうかな……」「ゲームしたいな……」と気になってしまい、なかなか眠れません。
ベッドでの読書をおすすめできないのには、姿勢もあります。眼科医の鈴木高佳氏は、寝転んだ姿勢で読書やスマートフォンの操作をすると、目と物の距離に左右で差が生まれると指摘。乱視の原因になってしまうそうです。首・肩・腕に負担がかかるのも心配ですよね。
・退屈な内容
医学博士の清水教永氏によると、続きが気になる本や好きな作家の本は、寝る前の読書に不向き。「ページをめくる手が止まらなくなり、気がついたら深夜……」なんて、翌日に支障が出てしまいますよね。
寝る前の読書には、
- 退屈な本
- 難解な本
- あまり興味のない本
……などがおすすめです。
・たまに音読
音読をすると、呼吸運動によって副交感神経が優位になったり、リズム運動によって精神の安定に関わるホルモン、セロトニンを分泌する力を鍛えたりする効果があります。
こちらが、ぜひ守ってほしいポイントです。
ベッドで本を読むというのは結構やりがちですよね。