福沢諭吉『学問のすゝめ』
その一説にある「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」という言葉はあまりにも有名ですね。
人は平等であり、その立場に上も下もないという解釈がされていますが、実はその真意は違います。
この文章をさらに先まで読み進めていくと、、、
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり。・・・略
されども今廣く此人間世界を見渡すにかしこき人ありおろかなる人あり貧しきもあり冨めるもあり貴人もあり下人もありて其有様雲と坭との相違あるに似たるは何ぞや。」
という言葉が続きます。
内容は、「神様は人間を平等に作りその立場に上も下もないらしい。しかしこの世界を見渡すと頭の良さの違いがあったり貧富の差もあり雲と泥ほどの違いがなぜあるのか」
さらに「されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。」と続きます。
すなわち神様は人間を平等に作ったが、人間として生まれた以上どうしても優劣が生じてしまう。その差を生み出すものが’’学ぶ’’という行為なのだ、というお話。
ただ勉強しろと言っているのではなく、自分が為すべきことのために必要となる知識を学ぶこと。
よく誤読されていることが多いのでより内容を掘り下げて取り上げてみました。
では今回は以上です。