
・愛知県の公立中高一貫校の適性検査で、本当に問われている力
・わが子が、この適性検査に合いやすいタイプかどうかを見る視点
・家庭でどんな備えをすると、愛知県の適性検査につながりやすいか
この記事の著者:ヒーローズ東郷校の先生東郷町の個別指導塾ヒーローズ東郷校の先生。誰にでもわかるように、そして今日から実践したくなるよう勉強法から伝え、一生役に立つ学習習慣が身につく指導を心がけています。
ヒーローズ東郷校について
「愛知県の公立中高一貫校の適性検査って、結局どんな問題なのだろう」
「算数ができれば有利なのか、それとも国語が得意な子が強いのか」
「受験対策を始める前に、まず試験の中身をきちんと知っておきたい」
そう感じる親御さんは多いと思います。
愛知県の適性検査は、ふつうの教科テストとは少し性格が違います。愛知県は、適性検査について小学校学習指導要領の範囲内で、複数の教科を組み合わせた内容とし、知識・技能を活用した思考力・判断力・表現力等を測るとしています。さらに、英語は出題しないことも明記しています。
この時点で、かなり大事なことが見えてきます。
愛知県の適性検査は、難しい先取り知識をどこまで入れたかを見る試験ではありません。けれど同時に、ただ「考える力だけ」で何とかなる試験でもありません。小学校で学んだことを土台に、それを初めて見る資料や場面でどう使えるかを見る試験だと考えるのが、公式方針にいちばん近い理解です。
この記事では、愛知県の公式資料、令和7年度・令和8年度の公開問題、サンプル問題をもとに、愛知県の適性検査をできるだけ具体的に整理していきます。制度の説明だけで終わらず、問題の構造、差がつきやすい場面、向いている子の傾向、家庭で意識したいことまで、一つの流れでまとめます。
目次
- 1. 愛知県の適性検査は、どんな試験なのか
- 2. 愛知県の適性検査の本質は、「教科横断型の情報整理」
- 3. 文系で問われるのは、単なる読解ではなく「要点を言語化して整理する力」
- 4. 「算数が得意なら有利か」への答えは、半分正しく、半分ずれる
- 5. 公開問題から見える特徴①|題材は身近でも、問われているのは整理力
- 6. 公開問題から見える特徴②|教科横断で「混ざっている」ことが、この試験の本質
- 7. 公開問題から見える特徴③|図・表・会話文をまたぐ力がいる
- 8. 公開問題から見える特徴④|知識ゼロでは解けないが、知識だけでも届かない
- 9. 時間配分は、思っている以上に厳しい
- 10. 令和8年度の難しさはどう見るべきか
- 11. 愛知県の適性検査で本当に問われている力
- 12. どんな子が愛知県の適性検査に向きやすいか
- 13. 家庭でできる備えは、先取りより「使える理解」を増やすこと
- 14. 親として最初に持っておきたい視点
- 15. まとめ|愛知県の適性検査は、知識を「貯金」する試験ではなく、「使う」試験
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1. 愛知県の適性検査は、どんな試験なのか
まず、全体像から押さえます。
愛知県の県立附属中学校の選抜は、基本的に1次選抜が適性検査、2次選抜が個人面接です。令和8年度の募集要項でも、普通コース等についてこの2段階選抜が示されています。また、適性検査は45分×2時限で行われ、令和8年度の実施時間は、適性検査Iが9時40分から10時25分まで、適性検査IIが11時05分から11時50分までです。
平均点も公式に公表されています。令和8年度は、適性検査Iが受検者14.6点・合格者16.8点、適性検査IIが受検者13.0点・合格者15.3点でした。令和7年度は、Iが受検者15.5点・合格者19.7点、IIが受検者14.5点・合格者18.0点です。いずれも各30点満点です。
この数字からまず言えるのは、愛知県の適性検査が単なる基礎確認テストではないということです。満点30点に対して受検者平均が半分前後にとどまっているため、小学校内容の範囲内であっても、資料の読み取りや判断の正確さがかなり求められる試験だと考えられます。これは平均点の水準からも自然に読み取れます。
2. 愛知県の適性検査の本質は、「教科横断型の情報整理」
愛知県の適性検査をひとことで表すなら、教科横断型の情報整理を重視する試験と見ると実態に近いです。
もちろん、理科・社会・算数・国語の要素は入っています。
ただ、公開問題を見ると、受験者が実際にしていることの中心は、「社会を解く」「算数を解く」といった教科別の処理だけではありません。むしろ、資料を読み、比べ、条件を整理し、もっとも適切なものを選ぶことが中心になっています。
愛知県が示している適性検査の考え方でも、会話文や図表などから必要な情報を読み取り、短時間で処理する力が必要だという整理がなされています。つまり、適性検査は「考える力を見る試験」とよく言われますが、より具体的に言えば、考える力の中でも、とくに“整理して使う力”を見る試験と捉えるとわかりやすいです。
3. 文系で問われるのは、単なる読解ではなく「要点を言語化して整理する力」
ここは、とても大事な点です。
愛知県の適性検査は、県の方針資料では全問選択式とされています。ですから、現在の愛知県入試について「記述式の作文力がそのまま合否を分ける」と書くのは正確ではありません。
ただし、だからといって「書く力が不要」というわけでもありません。実際の公開問題やサンプル問題を見ていると、正しく選ぶためには、文章や資料の要点を頭の中で整理し、自分の言葉で説明できるレベルまで理解しておくことが重要です。選択式であっても、なんとなく選ぶのではなく、「なぜこれが正しいのか」を自分の中で言語化できる子のほうが強い試験だといえます。
つまり、文系で問われているのは、表面的な読解量ではありません。
必要なのは、文章から要点や関係を読み取り、それを頭の中で整理し直す力です。
これは後で述べる「家庭でできる備え」にもつながる重要な視点です。
4. 「算数が得意なら有利か」への答えは、半分正しく、半分ずれる
親として気になるのが、ここだと思います。
「結局、算数が強い子が有利なのでは?」という疑問です。
結論から言うと、半分は当たりで、半分はずれです。
たしかに、数量関係に抵抗が少ない子は有利な場面があります。
ただ、愛知県の適性検査で強く問われているのは、典型的な計算ドリル型の力というより、ルールを理解し、条件を整理し、規則を未知の場面に当てはめる論理・規則性の力です。サンプル問題にも、単純計算ではなく、並べ替え、関係整理、人数と時間の把握など、まさにそうした力を使う問題が見られます。
ですから、「算数が得意なら強い」の中身を、もう少し正確に言い直すなら、
四則計算が速いことより、ルールを見抜き、条件を整理し、未知の状況に筋道立てて当てはめられることのほうが重要です。
ここを見誤ると、計算ドリルばかりを増やす対策に寄ってしまいますが、それは愛知県の公式方針やサンプル問題の方向性とは少しずれます。
5. 公開問題から見える特徴①|題材は身近でも、問われているのは整理力
令和8年度の公開問題を見ると、水泳、大航海時代、星座早見、江戸時代のくらしなど、題材はかなり幅広いことがわかります。
ただ、ここで大切なのは、題材そのものではありません。
実際に問われているのは、その題材を使って何をどう整理するかです。
たとえば令和8年度の適性検査Iでは、歴史的な題材を使いながら、表を見比べて共通点を選ぶ問題が見られます。これは社会や歴史の題材を使っていますが、解くうえで中心になるのは、表を比較し、条件をそろえて考える力です。年号暗記や用語暗記だけで対応するタイプの問題ではありません。
また、令和8年度Iでは、図や説明文を行き来しながら考える問題も公開されています。ここでは、理科や生活の知識だけでなく、資料を丁寧に読み、必要な情報をつなげる力が重要です。
令和8年度IIでも、歴史やくらしに関する資料をもとに考える問題が見られます。ここでも単なる知識の再生というより、具体例を整理し、今の視点や別の概念に結びつけて考える力が重視されていると読めます。
このように、愛知県の適性検査は、題材はやわらかく見えても、中身はしっかり思考型です。しかもその思考は、「ひらめき」に頼るというより、資料を読み、条件を整理する筋道のある思考です。
6. 公開問題から見える特徴②|教科横断で「混ざっている」ことが、この試験の本質
愛知県は適性検査を、複数の教科を組み合わせた内容としています。これは公式方針に明記されています。
この「組み合わせた内容」という言葉は、かなり重要です。
実際の公開問題でも、歴史やくらしを題材にしながら数量や資料比較をさせる問題、理科的な題材を使いながら文章や図を読み取らせる問題など、複数教科の視点をまたいで考えさせる構成が見られます。
つまり、読者が「これは社会の問題」「これは算数の問題」ときれいに分けて考えてしまうと、かえって適性検査の実態を見誤りやすいです。実際には、
社会の題材でも論理比較が必要で、
理科の題材でも言葉の整理が必要で、
数量の問題でも読解が必要です。
この混ざり方そのものが、愛知県の適性検査の大きな特徴です。
7. 公開問題から見える特徴③|図・表・会話文をまたぐ力がいる
愛知県の適性検査では、文字だけで勝負する場面はあまり多くありません。公開問題を見ると、図、表、会話文、説明文、まとめ文など、複数の形式の資料が組み合わされています。
つまり、必要なのは「長文を読めること」だけではありません。
文章を読む、図を見る、表を比べる、設問に戻るという行き来が必要です。
ここで差がつきやすいのは、読書量そのものより、必要な情報を必要な形で拾えるかです。物語文が得意であることと、適性検査に強いことは、必ずしも同じではありません。逆に、読書量はそれほど多くなくても、説明文や表から要点を拾うのが得意な子は、適性検査で強みを出しやすいです。これは公開問題の構造を見ても自然な見方です。
8. 公開問題から見える特徴④|知識ゼロでは解けないが、知識だけでも届かない
愛知県の適性検査は、小学校学習指導要領の範囲内で出題されます。ですから、理科・社会・算数・国語の基礎知識は当然必要です。方位、天体、歴史的背景、くらし、数量関係など、土台となる知識がなければ読み取りそのものが難しくなります。
ただし、その知識をそのまま聞くのではなく、資料や状況に結びつけて使わせるところに特徴があります。
このため、愛知県の適性検査は、
知識ゼロでは解けないが、知識だけでも届かない試験
と表現すると実態に近いです。
「覚えているか」だけでなく、
「その知識をどの場面で、どう使えるか」
まで見られている、と考えておくとよいと思います。
9. 時間配分は、思っている以上に厳しい
ここは、かなり強調してよいポイントです。
愛知県の適性検査は45分×2時限で、各30点満点です。さらに、公開問題の構造を見ると、文章・資料・会話文・図表を行き来しながら考える問題が多く、処理の密度はかなり高いです。
この条件を考えると、45分という時間は決して長くありません。
1時限30点満点ということは、1問ごとの重みも小さくありません。つまり、正確さが必要である一方で、一つの設問に時間をかけすぎて全体を崩さないことも同じくらい重要です。
だからこそ、愛知県の適性検査では、
じっくり考える力だけでなく、
解く・保留する・戻るを切り替える時間管理の力
も必要になります。
家では解けるのに本番では崩れる子がいるのは、この時間条件の厳しさも大きいです。
10. 令和8年度の難しさはどう見るべきか
ここは断定しすぎないほうが安全です。
民間塾の分析では、令和8年度を「昨年並みからやや易しめ」と見る声もありました。
ただし、公式平均点だけを見ると、令和8年度は令和7年度より受検者平均も合格者平均も下がっています。
そのため、公式情報に基づいて安全に言うなら、
少なくとも平均点だけを見る限り、令和8年度を単純に「易化」とは言い切れない
という整理が妥当です。
見た目に極端な難問が少なく見えても、資料量、処理量、選択肢の見極め、時間配分の難しさによって、得点が伸びにくかった可能性があります。これは公式平均点と公開問題の構造の両方から自然に読めることです。
11. 愛知県の適性検査で本当に問われている力
ここまでをまとめると、愛知県の適性検査でとくに重要なのは、次の4つです。
まずは、情報を拾う力です。
会話文、図、表、説明文の中から、答えに必要なものを見つける力です。資料が多い問題ほど、この力の差が出やすくなります。
次に、条件を整理する力です。
何が前提で、何を比べるのかを整理する力です。数量の問題でも、社会の資料問題でも、ここが土台になります。
そして、要点を言語化して理解する力です。
全問選択式であっても、正しく選ぶためには、文章や資料の中身を頭の中で言い換えられるレベルまで理解する必要があります。これが浅いと、選択肢の細かな違いを見分けにくくなります。
最後に、短時間で切り替える力です。
45分×2時限という条件の中では、じっくり考えるだけでなく、解く・保留する・戻るの切り替えも重要になります。これは実施時間の設定と公開問題の情報量を見ても自然です。
12. どんな子が愛知県の適性検査に向きやすいか
ここは断定ではなく、公開問題の構造から見た相性として読むのが安全です。
愛知県の適性検査に向きやすいのは、
資料を見ることが苦ではない子、
会話文や図をもとに考えるのが好きな子、
一問一答より少しひねった問題を面白がれる子、
「なんでそうなるのか」を確かめたくなる子
だと考えられます。公開問題の構造を見ると、こうした傾向の子が力を出しやすそうです。
一方で、
問題文や資料の量に圧倒されやすい、
条件整理の前に焦って答えを出したくなる、
時間制限がかかると崩れやすい、
というタイプは、対策の方向性をより意識したほうがよさそうです。
愛知県の適性検査は、じっくり考える力だけでなく、時間内に形にする力も必要だからです。
13. 家庭でできる備えは、先取りより「使える理解」を増やすこと
ここは、保護者にとっていちばん安心できるポイントかもしれません。
愛知県は適性検査を小学校学習指導要領の範囲内と明記しています。つまり、塾の先取りに焦るより、まず大事なのは教科書の内容を深く理解し、使える状態にすることです。公式方針にいちばん忠実なのは、この方向です。
たとえば、教科書の本文だけでなく、コラム、図表、資料、実験や観察の考察まで丁寧に読む。
社会なら、歴史やくらしの資料を見て「今とどう違うのかな」と話す。
理科なら、「なぜそうなるのか」を説明してみる。
こうした積み重ねは、愛知県の適性検査の方向とかなりよく合っています。
さらに、日常の中でできることもあります。
夕食の会話で、「昔のくらしではこうだったけれど、今ならどうなるかな」と比べてみる。
旅行やお出かけの計画で、「一番安い行き方は? 一番早い行き方は?」と条件を分けて考えてみる。
読んだ本や見たニュースを「つまりこういうこと」と短くまとめてみる。
こうした習慣は、特別な受験テクニックではありません。
けれど、要点をつかむ、条件を整理する、知識を別の場面で使うという、適性検査の本質的な力につながっていきます。
14. 親として最初に持っておきたい視点
適性検査を見ていると、どうしても
「どう解くか」
「どの問題集をやるか」
に目が向きます。
もちろんそれも大事です。
でも、親としてまず見たいのは、
この試験の性質が、わが子の学び方に合っているか
です。
愛知県の適性検査は、暗記量の勝負ではなく、考える力を問う試験です。だからこそ、知的好奇心がある子、つながりを考えるのが好きな子、資料から意味を拾うのが面白い子には合いやすい面があります。
一方で、資料量や時間制限の負荷が大きいため、その子の性格によっては消耗しやすい面もあります。これは公開問題の構造から見ても無理のない見方です。
大切なのは、
「受けるべきか」ではなく、「この子に合うか」
という視点です。
問題の傾向を知ることは、受験テクニックを増やすためだけではありません。
わが子がどんな学び方なら力を発揮しやすいのかを知るための材料でもあります。
15. まとめ|愛知県の適性検査は、知識を「貯金」する試験ではなく、「使う」試験
愛知県の公立中高一貫校の適性検査を、公式方針と公開問題の両方から整理すると、
小学校内容を土台に、資料を読み、情報を整理し、条件を比較し、知識を使って判断する試験
と表現するのが、もっとも実態に近いです。
公開問題を見るほど、愛知県の適性検査は「ひらめき勝負」でも「暗記勝負」でもありません。
必要なのは、
読むこと。
比べること。
整理すること。
そして、筋道を持って選ぶことです。
全問選択式であっても、頭の中で要点を言語化しながら考えられる子は強い。
計算が速いだけでなく、ルールや条件を整理して未知の場面に当てはめられる子は強い。
たくさん知っているだけでなく、持っている知識を場面に応じて使い直せる子は強い。
だからこそ、受験を考えるときに本当に見たいのは、
「難しい問題が解けるか」だけではありません。
こういう問題を面白がれるか。
資料を行き来しながら考えることに向いているか。
整理して答えを出すプロセスを、無理なく続けられるか。
そして最後に、この記事をひとことでまとめるなら、こうです。
愛知県の適性検査は、知識を「貯金」する試験ではなく、持っている知識をどう「使って」答えを導くかを見る試験です。
ここを押さえておくと、対策の方向も、親としての見方も、ぶれにくくなると思います。
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