【2027年度入試】愛知県公立高校の調査書から「出欠の記録」が消える|内申点の重みはどう変わるのか
愛知県教育委員会の発表により、2027年度(令和9年度)の公立高校入試から調査書の記載事項が変わることが明らかになりました。対象になるのは、いま中学3年生のお子さんからです。
「欠席が多いと不利になると聞いていたけれど、どうなるの?」「内申点の見られ方が変わるの?」——長久手市でも保護者の方からこうしたご質問をいただくことが増えました。
結論から言うと、変わるのは調査書の一部の項目だけで、合否の決まり方そのものは変わりません。ただ、この変更によって「何が評価されるのか」がよりはっきりしたのも事実です。今回は、変更点と、そこから逆算して今やるべきことを整理します。

調査書から消えるのは「出欠」「行動」「性別」の3項目
中学校から高校へ提出される調査書(いわゆる内申書)から、次の3つの記載欄がなくなります。

① 出欠の記録
これまで調査書には欠席日数が記載されていました。これがなくなることで、体調やさまざまな事情で学校に通いづらかった生徒、フリースクールなどで学んでいる生徒が、欠席日数を理由に不利にならないよう配慮されます。
② 行動の記録
「基本的な生活習慣」「思いやり・協力」といった項目を先生が評価していた欄です。どうしても主観が入りやすいため、より客観的な材料で選抜を行う目的で削除されます。
③ 性別
多様な性のあり方を尊重し、不要な偏見や誤解を生まないようにするための変更です。
欠席日数が理由で受験そのものを諦めていた生徒にとっては、大きな前進です。ただし出席状況が学校生活全体とまったく無関係になるわけではなく、日々の授業への参加は評定そのものに影響します。「休んでも内申に響かない」という意味ではない点は、押さえておきたいところです。
合否を決める200点の中身は変わらない
では、実際に合否はどう決まるのでしょうか。愛知県の公立高校一般選抜では、内申点と当日点の合計で校内順位が決まります。

内申点は、中学3年生の3学期(学年末)の9教科の評定を合計したものです。9教科×5段階で最大45点、これを2倍して90点満点として扱われます。
当日点は、2月に実施される学力検査の得点です。国語・数学・社会・理科・英語の5教科で、1教科あたり22点、合計110点満点。マークシート方式で実施されます。
この2つを足した200点が、合否を判断する基本の持ち点です。今回の調査書の変更でこの計算方法が変わることはありません。中3の3学期の成績がそのまま受験に直結するという構造は、これまでどおりです。
志望校がどの計算方式かで、力を入れる場所が変わる
ここが愛知県の入試のいちばんの特徴です。合計200点をそのまま比べるのではなく、高校ごとにあらかじめ選んだ5つの方式のいずれかで校内順位を決めます。

たとえば内申点が高くて当日の試験に不安がある生徒なら、内申を重く見るⅡやⅣの方式を採用している高校のほうが有利になります。逆に、内申が思うように伸びなかったけれど模試の点数は取れるという生徒なら、当日点を重く見るⅢやⅤの高校が向いています。
一般に、学力上位の普通科ではⅢやⅤ(当日点重視)を採用する学校が多く、専門学科・総合学科ではⅠ(バランス型)が多い傾向にあります。ただし方式は高校・学科ごとに毎年公表されるため、志望校を絞る段階で必ず最新の情報を確認してください。
| タイプ | 向いている高校の選び方 |
|---|---|
| 内申点が高い | 評定を重く見る方式(Ⅱ・Ⅳ)の高校が有利になりやすい |
| 当日点で勝負したい | 学力検査を重く見る方式(Ⅲ・Ⅴ)の高校を検討 |
| どちらも平均的 | バランス型(Ⅰ)で、両方を着実に積み上げる |
志望校選びは、偏差値だけを見て決めるものではありません。お子さんの得意な戦い方と、高校側の選び方が噛み合っているか——ここを見落とすと、同じ実力でも結果が変わってしまいます。
2027年度入試のスケジュール
愛知県教育委員会が発表した2027年度入試のおもな日程は次のとおりです。

| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1月25日〜2月1日 | 推薦選抜・特色選抜などの出願 |
| 2月4日 | 推薦選抜の面接 |
| 2月8日 | 推薦選抜の合格発表 |
| 2月8日〜16日 | 一般選抜の出願 |
| 2月17日 | 一般選抜の志願変更 |
| 2月24日 | 一般選抜の学力検査 |
| 2月25日・26日 | 面接(実施する高校のみ) |
| 3月8日 | 一般選抜の合格発表 |
私立高校の入試は1月に行われるため、実際にはその前から本番が始まります。中3の2学期が終わるころには、もう出願の準備期間に入っていると考えておくとよいでしょう。
この変更をふまえて、今やっておきたいこと
制度の変更を知ったうえで、では何をすればいいのか。優先順位をつけるなら次の3つです。
- 2学期の評定を1つでも上げる。内申点は中3の3学期で確定しますが、そこに至る流れは2学期でほぼ決まります。定期テストの点数だけでなく、提出物と授業への参加を落とさないことが基本です。
- 志望校の校内順位決定方式を調べる。秋の進路面談までに、候補となる高校がどの方式かを把握しておくと、冬にどちらへ力を入れるかの判断が早くなります。
- 5教科の当日点を測る機会をつくる。模試や実力テストを受け、200点満点のうち今どのあたりにいるのかを数字で把握します。目標との差がわかれば、残りの時間の使い方が具体的になります。
また、これまで欠席日数を気にして受験そのものに消極的だったご家庭にとって、今回の変更は選択肢が広がる知らせでもあります。学校に通いづらい時期があっても、評定と学力検査で勝負できる——そう考えられるようになったことは大きな意味を持ちます。
よくある質問(FAQ)
Q. 欠席が多くても、まったく不利にならないのですか?
A. 調査書に欠席日数が記載されなくなるという意味です。ただし授業に出られない期間があれば、その分だけ評定(内申点)や学力そのものに影響が出ることはあります。「欠席の数」が直接の判断材料から外れる、と理解しておくのが正確です。
Q. 内申点はいつの成績が使われますか?
A. 中学3年生の3学期(学年末)の9教科の評定です。1学期・2学期の評定そのものが提出されるわけではありませんが、学年末の評定はそれまでの積み重ねで決まります。
Q. 当日点が低くても内申点でカバーできますか?
A. 内申を重く見る方式(Ⅱ・Ⅳ)を採用している高校であれば、その可能性は高くなります。ただし当日点の満点は110点と内申の90点より大きいため、どの方式でも学力検査の対策は必要です。
Q. 中1・中2のうちは何をしておけばいいですか?
A. 受験に直接使われるのは中3の評定ですが、英語と数学は積み上げ型の教科です。中1・中2でつまずいたところをそのままにしておくと、中3で挽回するのに何倍も時間がかかります。この2教科の復習を優先してください。
まとめ
- 2027年度入試から調査書の「出欠の記録」「行動の記録」「性別」が削除される
- 「学習の記録(評定)」は残るため、内申点の重要性は変わらない
- 合否は内申90点+当日110点=200点で判断される
- 校内順位の決め方は高校ごとに5通り。志望校の方式を確認しておく
- 一般選抜の学力検査は2027年2月24日、合格発表は3月8日の予定
- 今やるべきは「2学期の評定を上げる」「志望校の方式を調べる」「当日点の現在地を測る」
制度は変わっても、やるべきことの本質は変わりません。目の前の授業と定期テストを積み上げながら、5教科の実力を測って差を埋めていく。その積み重ねが2月の200点になります。
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