中学2年生の理科で学習する気象・天気の単元では, 暖かい空気が上に行く性質を覚えておくことでいくつか暗記事項を減らすことができます。
寒冷前線や温暖前線における気団の進み方や, 横から見た前線面の形の違い, どちらの前線の方が速いのかなど, 状況を考えることで判断できてしまいます。
地表付近の空気が地表の熱で温められることで上昇気流が発生し, やがて雲ができる仕組みにも関係していますね。
大陸と海の温度差によって生じる陸海風の向きを判断するときにも使えます。
「暖かい空気が上に行く」というのは, とても重要なベースとなる知識と言えますね。
では, 暖かい空気(温められた空気)が上に行くのはなぜでしょうか。
これには密度が関係しています。
基本的に, 物質は温められることで体積が大きくなります。
このとき質量は変化しないため, 温められる前と後とを比較すると後者の密度の方が小さくなるんです。
そして密度が小さくなるということは, 周りと比べて軽くなることを意味しています。
極端に例えると,「 密度が大きい, 詰まったぎゅうぎゅうの状態 」より「 密度が小さい, 空いたスカスカの状態 」の方が軽いというイメージです。
周りと比べて軽い, 暖かい空気が上に行くのは当然ですね。
また, 温められると体積が大きくなることをイメージするには, 先に状態変化による体積の変動について知るのが肝要です。
それについての解説もまたいずれ!