不可算名詞をリスト化して丸暗記する覚え方をしてきた方もいるかもしれません。
しかしじつは、もっと簡単な覚え方があります。
不可算名詞を覚えるコツは、「数えられる」か「数えられない」かを丸暗記するのではありません。
人間がその名詞を「形」か「材質」のどちらで認識しているのかを知ることです。
日本語と英語の世界では、「数えられない」という言語上の定義が微妙に異なります。
英語の世界だと、「数えられる」名詞は、これ以上バラバラにしたら、それと呼べなくなる形をもつもの。
つまり「形」として認識できる名詞です。
一方、「数えられない」名詞は、いくらバラバラにしても「それ」と呼べ、どこを取っても同じという「同質性」があるのが特徴。形ではなく、「材質・性質」として認識できる名詞です。
よって、「形」として認識できる名詞が「可算名詞」、「材質・性質」として認識できる名詞が「不可算名詞」という覚え方をすれば、スムーズに見分けがつきやすくなります。
物質名詞の場合、氷をいくら砕いたり、チョークをいくら折ったり、紙をいくらちぎったりしても、私たちは「氷(ice)」「チョーク(chalk)」「紙(paper)」とそれぞれ呼べますね。物質名詞を「材質」として認識しているのが理由です。また、そのもののどこを切り取っても同じ性質をもつという「同質性」も共通しています。
次に、机やスマートフォンを粉々に砕く様子をイメージしてみてください。バラバラに砕かれたものは、もはや「机」や「スマートフォン」とそれぞれ呼ぶことはできません。英語の世界だと「可算名詞」は、丸ごとひとつの「形」として認識でき、バラバラにしたら「それ」と呼べない名詞を指しているのです。「可算名詞」には「a」をつけることができますが、これは「ある形が丸ごとひとつ存在する」ことを表します。また、複数形の-sをつけることで「同じ形が複数存在している」ことを表すことができます。
対して「材質・性質」として認識される不可算名詞は、そもそもはっきりした形を持っていないため、「ある形が丸ごとひとつ存在する」意味をもつ「a」や、「同じ形が複数存在している」ことを指す複数形語尾をつけません。そのため不可算名詞は、「paper」「ice」のように「a」や複数形語尾をつけない「裸の名詞」なのです。
可算名詞・不可算名詞、曖昧に覚えるよりも一つ軸をもって覚える方が見わけもついてとても役に立ちます。
この捉え方を是非参考にしてみて下さい。