Rくんの受験は、ただ「合格・不合格」だけでは語れない、本当に濃い時間だったと思います。
決して楽な道のりではありませんでした。
第一志望は、筑波大学附属駒場中学校。
日本でも最難関と言われる学校です。
周囲から見れば「すごい挑戦」でも、実際にそこを目指して走り続ける毎日は、想像以上に苦しく、孤独で、不安との戦いだったと思います。
模試の結果に一喜一憂し、自信を持てる日ばかりではありませんでした。
うまくいかない日もありました。
「本当に届くのだろうか」
そんな思いを抱えながら、それでもRくんは歩みを止めませんでした。
そして受験直前。
積み重なった緊張や重圧で、気持ちが大きく揺れた日もありました。
感情があふれ、苦しさを抑えきれなくなったこともありました。
それでも――。
Rくんは塾に来ました。
本当につらい状態の中でも、自分の足で来て、「頑張る」と言って帰っていったのです。
私は、その姿が今でも忘れられません。
受験で本当に強い子というのは、「苦しくならない子」ではありません。
苦しくても、怖くても、逃げずにまた前を向こうとする子です。
Rくんは、まさにそういう子でした。
そして迎えた本番。
第一志望だった筑駒には、あと一歩届きませんでした。
悔しかったと思います。
ご家族も、どれほど胸を締めつけられたか分かりません。
ですが、ここで絶対に忘れてはいけないことがあります。
Rくんは、
麻布中学校 合格
栄光学園中学校 合格
栄東中学校 東大クラス 特待合格
という、日本全国でもトップレベルの難関校に、しっかりと合格しています。
これは決して偶然ではありません。
運だけで届く学校ではありません。
本物の努力を積み重ねた子だけが立てる場所です。
Rくんは、その場所に、自分の力でたどり着きました。
そして春。
Rくんは栄光学園中学校へ進学しました。
先日、わざわざご挨拶に来てくれたのですが、制服姿のRくんを見た瞬間、私は驚きました。
あれほど幼さの残っていた少年が、凛とした空気をまとい、どこか気高く、しっかりと前を向く「男の顔」になっていたのです。
受験を通して、人はここまで成長するのか――。
そう感じました。
「学校、本当に楽しいです」
「良い友達にも出会えました」
そう笑いながら話してくれたRくんの表情は、とても晴れやかでした。
人は環境に影響を受けます。
どんな仲間と出会い、どんな場所で過ごすかで、大きく変わっていきます。
だからこそ、Rくんが自分の力でつかみ取ったこの環境は、きっとこれからの人生をさらに豊かなものにしていくと思います。
受験には、苦しい面があります。
自分の弱さと向き合わなければいけない時もあります。
逃げ出したくなる日もあります。
ですが、その苦しさを乗り越えた人は、人間として大きく成長します。
私は、この仕事をしていて何度も感じることがあります。
本気で受験を乗り越えた子たちは、ただ賢いだけではありません。
誠実で、人の痛みが分かり、他者にやさしい子が本当に多いのです。
Rくんも、きっとそんな大人になっていくと思います。
この受験は、「第一志望に届かなかった物語」ではありません。
苦しみながらも、自分を信じ、家族に支えられながら、本気で挑み抜き、人として大きく成長した物語です。
私は、そこに大きな価値があると思っています。
受験は、単に勉強ができるかどうかだけではありません。
苦しい時にどう踏ん張るか。
不安な時にどう立ち上がるか。
思うようにいかない時、それでも前を向けるか。
Rくんは、この受験を通して、そのすべてを経験しました。
そしてそれは、これからの人生で必ず大きな力になります。
きっとこれから先も、Rくんはたくさんの挑戦をしていくと思います。
その時、思い出せるはずです。
「あの受験を、自分は逃げずに最後までやり切った」と。
その経験は、一生消えません。
そしてもう一つ。
この受験は、Rくん一人だけの戦いではありませんでした。
ここまで支え続けたお父さま、お母さまの存在も、本当に大きかったと思います。
不安だった日も、眠れなかった夜も、たくさんあったはずです。
それでも最後まで信じ、支え続けたご家族の力があったからこそ、Rくんはここまで走り切ることができました。
私は、そんなRくんの歩みを近くで見ることができたことを、本当に幸せに思っています。
この仕事をしていて、本当に良かった。
心から、そう思っています。
Rくん、良い学生生活を。
これからの未来が、素晴らしいものになることを願っています。
2026.05.17
教室からのお知らせ











