
計算はできるのに、なぜ数学の点数が取れないの?
「計算問題ならできるんです。」
「家でやらせると解けるのに、テストになると点数が取れません。」
保護者の方からよくご相談いただく内容です。
実は、数学のテストで点数が伸び悩むお子さんには、ある共通点があります。
それは、「計算ができない」のではなく、「問題をどう解けばいいのかを判断すること」が苦手ということです。
■「計算ができる=数学ができる」ではありません
例えば、「3x+5x」を計算してください。
この問題なら、3x+5x=8xと答えられる。
ところが、「ある数を3倍して5を加えると20になります。ある数を求めなさい。」となると、急に難しく感じてしまう。
この2つの問題で必要な計算そのものは、それほど難しくありません。
しかし後者では、「この問題は、どんな式を作ればいいのか?」を自分で判断する必要があります。
つまり、数学では、計算する力+問題を読み取る力+解き方を考える力が必要なのです。
■点数が取れないお子さんに多い5つの共通点
① 問題文を最後まで読んでいない
数学が苦手なお子さんに意外と多いのが、「問題を読んだつもり」になっているケースです。
数字を見つけると、すぐに計算を始めてしまう。
しかし、文章題では、「何を求めるのか」「どんな条件があるのか」を読み取ることが重要です。
計算を始める前に、「この問題は何を聞いている?」と確認するだけでも変わってきます。
② 「どの公式を使うか」だけを覚えている
公式を覚えることはもちろん大切です。ただし、「この公式は、どんなときに使うのか」まで理解していないと、少し問題の形が変わっただけで解けなくなります。
「公式を覚える」→「公式を使う場面を理解する」ここまでできて、初めて「使える知識」になります。
③ 解き方を説明できない
「答えは合っているけど、どうしてこの式にしたの?」と聞いてみてください。
ここで、「なんとなく……」となってしまう場合は注意が必要です。
これからの数学では、答えだけではなく、「なぜ、その式になるのか」を説明する力も重要になっています。
全国学力・学習状況調査でも、知識を使って考えたり、理由を説明したりする力が問われています。
④ 間違えた問題を「答えを写して終わり」にしている
これも非常に多いパターンです。
間違える→答えを見る→赤ペンで直す→終了
これでは、同じ問題が出たときに、また間違えてしまう可能性があります。
大切なのは、「なぜ間違えたのか」を確認して、もう一度自分で解くこと。そして、時間を空けてもう一度解いてみる。
「間違えた問題こそ、成績を伸ばすチャンス」と考えてみてください。
⑤ テスト前だけ数学を勉強している
数学は、短期間で一気に伸ばすことが難しい教科です。
なぜなら、前に学習した内容が、新しい単元の土台になるからです。
例えば、正負の数→文字式→方程式→関数→図形・文章問題というように、これまでの学習内容が次の学習につながっていきます。
だからこそ、「テスト前にまとめて勉強する」だけではなく、普段から少しずつ「わからない」を残さないことが大切です。
■では、どうすればいいのでしょうか?
「計算はできるけど、文章問題が苦手」
というお子さんなら、いきなり難しい問題集をたくさん解く必要はありません。
まずは、普段の問題を解くときに、
① 問題を最後まで読む
② 「何を求める問題?」と考える
③ 「なぜこの式になる?」を説明する
④ 間違えたら、もう一度自分で解く
この4つを意識してみましょう。
■「数学が苦手」は、計算力だけの問題ではありません
数学のテストで点数が取れないと、「うちの子は数学が苦手だから……」と考えてしまうかもしれません。
でも、実際には、
・計算力はあるけれど、問題を読み取ることが苦手
・公式は覚えているけれど、使う場面がわからない
・間違えた問題を繰り返していない
というケースも少なくありません。
つまり、「数学が苦手」=「数学の才能がない」ということではありません。
どこでつまずいているのかを見つけて、そこを一つずつ改善していく。それだけでも、数学の点数は変わっていきます。
■まとめ
これからの数学では、「計算が速くできること」だけでは十分ではありません。
「問題を読み取る」「解き方を考える」「理由を説明する」「間違いを振り返る」
こうした力が、ますます重要になっています。
そして、これは全国学力テストだけの話ではありません。高校入試でも定期テストでも、「覚えたことを使って考える力」が必要になります。
もし今、
「計算問題はできるのに、文章問題になると点数が取れない」「家では解けるのに、テストになるとできない」
という状態なら、勉強量を増やす前に、まずは「問題の解き方」を見直してみることをおすすめします。
数学は、正しい方法で練習すれば、少しずつ「できる問題」を増やしていくことができます。
「わからない」をそのままにしない。
「間違えた」をそのままにしない。
その積み重ねが、数学の点数アップにつながっていきます。









