夏休み。
中学生にとっては、のびのびできる特別な時間ですよね。
学校がないことで気持ちに余裕が生まれ、友達との時間や趣味など、ふだんできないことに取り組むチャンスでもあります。
でもその一方で──
生活リズムが乱れたり、勉強から遠ざかってしまったり…。
「大丈夫かな?」と心配になることもあるのではないでしょうか?
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「もっと勉強してほしい…」
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「昼夜逆転が続いて、このままでいいのかな」
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「2学期が始まってから、ついていけるか不安…」
そんな思いから、つい強めの口調で「勉強しなさい!」と言ってしまい、親子関係がギクシャク…なんてことも。
今回はそんなときに役立つ、保護者として“上手に関わるための声かけのコツ”を5つご紹介します。
大切なのは「命令する」のではなく、「寄り添い、後押しする」こと。
小さな声かけの積み重ねが、子どもの行動を大きく変えることもあるんです。
① 頑張ったことに目を向けて声をかける
子どもは大人が思っている以上に、褒められたいし認められたいものです。
特に中学生は、少しずつ自立していく時期だからこそ、「ちゃんと見てくれてるんだ」と感じることが安心感につながります。
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「今ちょうどやってたんだね、えらいね」
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「昨日よりちょっと進んだね!」
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「1人で机に向かったの、すごいじゃん!」
どんなに小さなことでもいいんです。
結果ではなく“行動”に注目してほめると、「もっと頑張ろう」という気持ちが自然と芽生えます。
② 計画は“親子で一緒に”立てる
「ちゃんと計画しなさい」は、子どもにとってはプレッシャー。
しかも、何から手をつけたらいいかわからない子にとっては、“計画”という言葉自体がハードルになってしまうことも。
そんなときは、親が「一緒に考えてみようか?」と声をかけるのが効果的です。
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「どこまで終わらせたい?」
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「午前中に1教科だけやってみる?」
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「午後は涼しくなったらやろうか」
スケジュールを「押しつける」のではなく、選択肢を一緒に探すような感覚がちょうどいい距離感です。
③ 声をかけるタイミングは“落ち着いているとき”
こちらがイライラしているときや、子どもがゲームに夢中になっているときに注意をしても、反発されるのは当然です。
大切なのは、心が落ち着いているタイミングで話すこと。
たとえば…
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「一緒にお茶でも飲みながら話そうか」
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「今、何か困ってることある?」
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「今日、なんか気になることあった?」
少し雑談から入るくらいの気持ちで話すと、お互いの気持ちがやわらかくなって、自然と本音が出やすくなります。
④ “がんばれ”よりも、“応援してるよ”の言葉を
「がんばって」は便利な言葉ですが、子どもによってはプレッシャーとして響くこともあります。
それよりも、「見守っているよ」「信じてるよ」というメッセージの方が、心にじんわり届きます。
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「見てるよ、応援してるよ」
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「あなたのペースで大丈夫だよ」
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「昨日より進んだね。すごいよ!」
頑張れを要求するのではなく、“頑張っている姿”を支える言葉が、子どもの背中をそっと押します。
⑤ あえて口を出さない時間も大切に
気になっても、あえて何も言わない勇気。
子どもを“信じて任せる”姿勢は、実はとても大きなメッセージになります。
親がガミガミ言わなくても、子どもなりに「やらなきゃ」と思っている場合も多いもの。
ときには「あえて言わない」「そっと見守る」ことが、最良の関わり方になることもあります。
その沈黙の中に、「信じてるよ」という温かさが込められていれば、子どもは必ずそれを感じ取ってくれます。
おわりに
夏休みは、子どもにとっても親にとっても、いつもと違うリズムの中で過ごす“特別な時間”です。
うまくいくことばかりじゃなくて当然。
でも、その中でどう寄り添うか、どう言葉をかけるかが、親子関係を深める大きなチャンスにもなります。
完璧な関わり方なんてありません。
「つい言いすぎちゃった…」と感じたら、あとから「さっきは言いすぎたね」と言えるだけでも十分です。
深呼吸しながら、少しだけ言葉を変えてみる。
それだけで、お子さんの表情がふっとやわらかくなるかもしれません。
今年の夏が、親子にとって“ちょっといい時間”になることを願っています◎